不動産の相続対策に本当に意味があるのか?

2024.04.8 更新
ハウス・リースバック

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不動産を活用した相続税対策は、効果が大きいとして人気を集めています。しかし、節税効果が大きいということは、失敗したときのリスクも大きいということ。不動産で相続税対策をする場合は、慎重に行わなければなりません。ここでは、不動産の相続対策に関する情報について解説します。

なぜ不動産が相続対策になる?事例は?

まずは、不動産が相続税対策に効果的といわれる理由と事例を確認しましょう(以下、相続税対策に関わる法律等はすべて2023年8月時点の内容です)。

不動産が相続対策になる理由

不動産が相続税対策になる理由は、相続税評価額の引き下げという仕組みを利用できると法律で決められているからです。不動産は売却した場合の価格(時価)より低い相続税評価額がつけられるという評価方法が採用されています。

例えば、1億円の預金を相続した場合の課税対象は1億円です。しかし、時価1億円の不動産を相続すると評価額は数十%減額され、数千万円ほどに抑えられます。土地であれば20〜30%、建物であれば30〜70%に評価額を抑えることが可能です。相続税には、相続した財産の評価額が高くなるほど税率も高くなるという累進課税方式が採用されているため、相続評価額を低くすることで相続税を軽減できます。

方法1.購入した不動産を賃貸にする

不動産を相続税対策に活用する方法の1つ目は、購入した不動産を賃貸にすることです。賃貸物件は借家権によって、相続税評価額を下げられます。借家権は借地借家法で規定されている、賃貸物件の借主保護制度のことです。貸主が一方的に契約更新を拒否したり、借主の立ち退きを主張したりしたとしても、正当な理由がなければ認められないという制度です。

借家法によって借主の立場は守られますが、その分建物を所有している貸主が建物に対して持っている権利は制限されます。そのため、制限された権利に対して建物の相続税評価額を割り引いてくれるのです。割引率は全国一律で30%と決まっていて、これを借家割合といいます。

また、賃貸用の土地は貸家建付地と呼ばれ、こちらも相続税評価額が割り引かれるのです。借家権と同様に土地にも借主を保護する借地権があり、土地も貸し出すことで所有者の権利が制限されます。そこで相続税評価額を割り引き、貸主にもメリットがあるようにするのです。割引率は借地権割合といい、地域によって異なります。

方法2.不動産を相続時精算課税制度を使って贈与する

2つ目の節税方法は、相続時精算課税制度を活用して不動産を贈与することです。相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母や祖父母から20歳以上の推定相続人である子や孫に対し財産を贈与した場合、限度額の2,500万円に達するまでは何度も控除できるという贈与税の特例ですなお、令和6年1月1日より特別控除(最高2,500万円)の適用がある場合はその金額を控除した残額に、20%の税率を乗じて、贈与税額を算出します。

贈与した時点では贈与税がかからず、相続するときにほかの相続財産と合わせて相続税が課税されます。基本的には相続税よりも贈与税の負担が大きくなるので、相続時精算課税を使って生前贈与をすれば贈与税がかからず節税可能です。

相続税としていくら課税されるかは、贈与時の時価で計算されます。つまり、価値が上がることが見込まれる財産を贈与することで、大幅な節税ができるということです。


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不動産による相続対策のリスクや注意点

不動産を活用した相続税対策は、幅広く行われています。しかし、リスクや注意点があるのも事実。ここで確認しておきましょう。

まとまった資金がないと対策できない

不動産での相続税対策は節税効果が大きい一方で、投資額も大きいのが特徴。つまり、まとまった資金がなければ対策は不可能です。基本的に不動産を活用した節税対策は、資金に余裕がある場合に行うものと考えたほうが良いでしょう。

借金をしての対策は本末転倒

バブル時代には、借金をして賃貸マンションを購入することが相続税対策のトレンドでした。それはバブル時代に不動産の時価が高騰したことで、相続税の負担が重くなったためです。

しかし相続税対策はできても、バブル崩壊後にマンションの空室が目立つケースが増え、投資費用を回収できず借金の返済に苦労したというケースが多くみられます。不動産の資産価値が高ければ相続税の節税と不動産収入の獲得を同時にかなえられますが、場合によっては借金の負担ばかり重くなってしまうこともあるのです。借金をしてまで無理やり不動産を購入することが本当に価値のあることなのか、一度考えてみる必要があります。

賃貸ならランニングコスト面でのリスクがある

購入したマンションを賃貸に利用するのであれば、あらゆるリスクを考えなければなりません。まず、賃貸では空き部屋があると家賃収入が減ります。また、銀行借入を行って賃貸マンションを購入する場合、返済期間は長くなりがちです。返済期間中に金利が上がると返済額が増え、負担になってしまいます。

他にも自然災害や家賃滞納のリスクがつきまとい、あらゆるランニングコストがかかります。相続税を節約するよりも、賃貸マンションを維持するためのコストにお金がかかるという問題に発展することも珍しくありません。


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相続対策の不動産が別の問題に発展する可能性も

節税に偏りすぎた相続対策によって、別の問題に発展する危険性もあります。具体的な例を見ていきましょう。

相続争いを引き起こす可能性

相続税対策のために購入した不動産が裏目に出て、相続争いを引き起こすことがあります。遺産の中に不動産があると、相続争いが起こりやすいです。これは不動産が現金と異なり分割しにくく、評価方法が一定でないためです。相続争いを避けるためには、遺言を残すなど事前の対策が必要です。

あえて不動産を売却する方法もある

相続税対策にこだわりすぎず、持っている不動産を売却するという方法もあります。不動産を売却すれば現金として保管可能です。現金は不動産と異なり均等な分割が可能ですし、老後資金に回せるため安心できます。

リースバックも1つの方法

持ち家を売却して長年住み続けた家を失うことが不安であれば、リースバックを利用するのがおすすめです。リースバックは業者に持ち家を売却して資金を得つつ、そのまま家に住み続けられる方法です。老後に家がなくなるリスクもなく、安心して暮らせます。

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まとめ

不動産の活用は、相続税対策としてよい方法です。しかし、借金をしてまで不動産を活用するリスクがあるか、税金以外のトラブルを引き起こさないかなど、あらゆる点を考慮する必要があります。不動産をあえて売却して資金に変えることも1つの方法ですので、検討してみるのもよいでしょう。

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