【FP解説】高年齢求職者給付金とは?受給できる条件や金額などわかりやすく解説

2025.02.4 更新
ハウス・リースバック

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高年齢求職者給付金は、65歳以上の離職者が再就職活動を安心して行えるように支援する公的な給付金制度です。

また、一時金としてまとまった額が支給されるため、次の職を探すための生活資金を早期に得られるメリットがあり、再就職活動をサポートする貴重な制度でもあります。

本記事では、高年齢求職者給付金の制度内容や受給条件、金額の計算方法について詳しく解説していきます。

高年齢求職者給付金とは

高年齢求職者給付金とは、65歳以上の高年齢者が離職した際に受け取れる給付金です。

通常の失業手当(基本手当)は65歳未満が対象であるため、高年齢者の経済的支援を目的として特別に設けられています。

この給付金により、高年齢の離職者も経済的負担を軽減しながら再就職活動を行うことができます。

制度や仕組み

高年齢求職者給付金は、65歳以上の高年齢求職者に対して、雇用保険の失業手当(基本手当)に代わって支給される給付金です。

これは雇用保険の離職の日以前1年間に被保険者期間が6か月以上の方が、一括受給することができるので再就職活動期間の生活費が不安な方も安心して求職活動することができる制度です。

特例一時金

特例一時金は、通常の高年齢求職者給付金とは異なり、特定の条件下で支給される一時的な給付金です。

たとえば、短期的な就労により一時的な支援が必要な場合や、特定の条件を満たした高年齢者に対して支給されます。

詳しい条件については、お近くのハローワークで確認してみてください。

メリット

高年齢求職者給付金には、高年齢者が安心して再就職活動を行えるようにするメリットがあります。

ここでは3つ挙げます。

再就職までの経済的な安心感

65歳以上で離職した際に経済的支援があることで、安心して再就職活動ができます。

雇用保険に加入していると手続きがシンプル

高年齢求職者給付金は雇用保険の被保険者であれば利用可能で、ハローワークで受給の申請手続きを行い、審査が完了すると一括で給付金を受け取れるので複雑な手続きが不要です。

一括で受給することができる

一度にまとまった給付金が受け取れるため、生活費や求職活動費用にあてるなど柔軟な使い方が可能です。

高年齢求職者給付金の条件と受給できないケース

とても便利な高年齢求職者給付金ですが、受給にはいくつかの条件があり、場合によっては給付金を受け取れないケースもあります。

まず、受給には雇用保険の被保険者期間が6か月以上あることが条件です。

65歳以上の退職時に適用され、自己都合退職や定年退職、会社都合による退職など、幅広いケースが対象です。

しかし、雇用保険の加入期間が離職日以前1年間に、被保険者期間が通算して6か月以上ない場合や、退職前の就業形態が短期間だった場合などは支給対象外となります。

また自営業を営む方も受給することができません。

高年齢求職者給付金の受給金額計算方法

給付金の基本的な計算方法と、実際の受給額の目安はどのくらいでしょうか。

受給金額計算方法

受給金額は、賃金日額(退職前の平均賃金)と支給率をもとに計算されます。

支給率は退職理由や状況によって異なりますが、おおむね50~80%程度です。

具体的な計算方法については、退職直前の給与明細などを基にハローワークで確認することが推奨されます。

受給例

例えば、退職直前6か月の給与日額の平均が10,000円の方の場合、支給率が60%であれば、賃金日額に支給率を掛け合わせた6,000円が給付金として支給されます。

具体的な受給例は、ハローワークの担当者に相談することで算出が可能です。

高年齢求職者給付金の支給日数・期間・期限

支給日数

高年齢求職者給付金は一時金として支給されます。

給付額は、雇用保険に加入していた期間によって異なります。

  • 被保険者期間が1年未満の場合は30日分
  • 被保険者期間が1年以上の場合は50日分

こちらが支給されることになります。

待機

高年齢求職者給付金には、通常7日間の待機期間があります。

この期間中は、給付金が支給されませんが、給付金の受給条件を満たしているかどうかを確認する期間として設けられています。

給付制限

自己都合退職の場合、給付制限が設けられることがあります。

上記の待機期間が過ぎた後の更に2か月が経過するまで高年齢求職者給付金は支給されません。

なお、自己の責めに帰すべき重大な理由で解雇された場合は3か月経過を待つ必要があります。

受給制限

高年齢求職者給付金の申請は、離職した翌日から1年以内に行わなければなりません。

受給期限を過ぎると申請できなくなるため、速やかな手続きが求められます。

待機や給付制限の期間もカウントされ、この期間内に申請を行わなければ給付金を受け取ることができなくなるため、早めに手続きを進めておきましょう。

高年齢求職者給付金の申請から受給までの流れ

申請方法と書類

申請は、最寄りのハローワークで行います。

必要書類には、雇用保険被保険者証、離職票、本人確認書類などが含まれます。

申請後、条件を満たしていれば、給付金が支給されます。

受給までの流れ

受給までの流れは大きく4つです。

  1. 雇用保険被保険者証・離職票などを用意
  2. ハローワークで求職申込み・高年齢求職者給付金の申請を行う
  3. 待機期間(7日間)
  4. 給付制限期間終了後に失業認定の確認を受け、失業状態にあることが確認されると約1~2週間後に指定の口座に給付金が入金される

失業手当と高年齢再就職給付金との違い

ここでは高年齢求職者給付金以外の制度(失業手当・高年齢再就職給付金)との違いを解説します。

失業手当との違い

失業手当(基本手当)は、65歳未満の被保険者が受給できる給付金です。

ここでは、その支給方法や条件について3つの違いを解説します。

①対象年齢

失業手当(基本手当)は、離職時に65歳未満の被保険者が離職した場合に支給される給付金です。

一方、高年齢求職者給付金は、65歳に達した日以後に     離職した場合に受給対象となります。

したがって、65歳を超えると失業手当の受給資格がなくなり、高年齢求職者給付金が適用されます。

②支給形態

失業手当は、所定の支給日数(90日~360日)の範囲内で、定期的に分割して支給されます。

このため、一定期間にわたって安定的に受給できるというメリットがあります。

一方、高年齢求職者給付金は、一度にまとまった額を受け取れる一時金として支給されます。

このため、高年齢求職者給付金は再就職活動の早期サポートに向いているものの、長期間の失業状態に対する支援は限定的といえます。

③支給金額の計算方法

失業手当(基本手当)では、賃金日額と被保険者の離職理由、年齢に応じた給付率を元に、1日あたりの給付額が決まります。

支給金額は離職前の給与水準に左右され、年齢や理由によっても細かく変動します。

一方、高年齢求職者給付金では、賃金日額に所定の支給率(30日分または50日分)をかけた金額が一時金として支給されます。

高年齢再就職給付金との違い

高年齢求職者給付金との違いは、大きく分けて2つあります。

①支給タイミング

高年齢再就職給付金は、再就職が決まった後に     支給されるため、再就職活動中には受け取れません。

再就職後、賃金月額が確認されてから支給が開始されるため、初回支給までに一定の期間がかかる場合があります。

一方、高年齢求職者給付金は、失業中の高年齢者が対象であり、求職活動を始める時点で支給される一時金です。

②支給条件

高年齢再就職給付金は、被保険者期間が5年以上の人が対象で、基本手当の基礎となった賃金日額の30日分の額の75%未満である場合に、再就職先の賃金月額の15%を限度として給付される制度です。

一方で、高年齢求職者給付金は、被保険者期間が1年以上あれば受給でき、再就職の有無に関係なく失業状態であり、必要な手続きが完了していれば支給されます。

高年齢求職者給付金は、求職期間中の経済的な安心感を提供する制度であり、再就職活動に専念できる環境を整えることができます。     

また、高年齢再就職給付金との違いを理解し、ご自身の状況に合った制度を適切に活用することも大切です。

65歳以上で再就職活動を進める際には、この制度の違いを理解し、状況に合った制度を活用して経済的な負担を軽減することが重要です。

まとめ

この記事では65歳以上の離職者が再就職活動を安心して行えるように支援するための高年齢求職者給付金について解説しました。

待機期間や受給制限はあるものの誰もが一定の基準を満たせばもらえる給付金なので老後生活の不安を少しでも減らすことができる制度です。

今回は失業手当との違いや、高年齢再就職給付金にも触れました。

この記事で興味を持たれた方はお近くのハローワークにぜひ相談してみてください。

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ハウス・リースバック編集部

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