退職金をうまく運用すれば老後は安心?主な運用方法をご紹介

2020.03.31 更新
ハウス・リースバック

この記事を読むのに必要な時間は約 12 分です。

退職金があれば老後を安心して送れたのは過去の話です。

退職金の減額や長寿化にともない、生きている間に底をつく可能性が多分にあります。

そんなとき退職金を増やせるかもしれないのが「運用」です。

今回は退職金を運用するメリットや注意点を紹介します。

退職金の運用はメリットがたくさん

厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査 」によると、もらえる退職金の平均は、大学・大学院卒で1,983万円となっています。

平成25年(2013年)が1,941万円だったので増えているように見えますが、集計対象が変わっているため、同じ条件では平成30年が1,788万円となり減少しています。

出典:厚生労働省ホームページ
(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/sy)

 

また、生命保険文化センターが令和元年度(2019年度)に行った「生活保障に関する調査 」によると、夫婦2人の老後に必要な最低の日常生活費の平均は22.1万円です。

ゆとりある老後を送るには、さらに平均で14万円、合計で36.1万円が必要という結果が出ています。

出典:(公財)生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査」より
(http://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/oldage/7.html)

 

厚生年金の平均受給額は約15万円、国民年金が約5万円といわれているため、仮に会社員と専業主婦(夫)の組み合わせなら、合計すると約20万円となり、最低の日常生活費にも足りません。

ゆとりある老後を送るとなれば、毎月16万円ずつ退職金を取り崩す計算です。

退職金が1,983万円であれば、たった10年4ヶ月 で使い果たしてしまいます。

日本の平均寿命は80歳を超えているため、60歳で定年してからも20年以上生きる可能性があります。つまり、老後資金として20年分貯めておく必要があり、現状の年金制度と退職金だけで生活するのは難しいでしょう。

運用で退職金を増やせれば、老後にゆとりある生活を送れることにつながります。

上記の条件で毎年利回り5%で運用できれば、使い果たすのが4年3ヶ月、年8%なら11年8か月先送りできます。

退職後にやりたかったことをできたり、生活費の不安も解消されたり、不測の事態が起こっても余裕を持って対処できたりするはずです。

退職金を運用するときの注意点

退職金を運用するには、あらかじめどれくらい使ってもいいのか確認しなければいけません。

その際に注意したいポイントを2つ紹介します。

退職金は税金がかかる

退職金は全額が自分のものになるわけではなく、一定の税金が引かれます。いわゆる所得税です。

退職金の受け取り方には「一時金」と「年金形式」があり、どちらを選択するかによって、税金の額が異なります。

一時金は、一度に全額を受け取る方式で、「退職所得」という扱いです。

勤務年数に応じて控除額が決まります。1年未満の端数は切り上げです。

勤続年数が20年未満の場合は「40万円×勤続年数」となります。計算結果が80万円未満の場合は一律80万円です。20年以上になると「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」となります。

退職金から控除額を引き、1/2にしたのが課税対象です。

退職所得の税金を計算するときは、課税対象額に税率を掛け合わせ、一定額を控除します。

課税対象額ごとの税率や控除額は以下のとおりです(2019年11月現在)。

 課税対象額
 税率
 控除額
 195万円以下
 5%
 なし
 195万円超330万円以下
 10%
 97,500円
 330万円超695万円以下
 20%
 427,500円
 695万円超900万円以下
 23%
 636,000円
 900万円超1,800万円以下
 33%
 1,536,000円
 1,800万円超4,000万円以下
 40%
 2,796,000円
 4,000万円超
 45%
 4,796,000円

 

仮に40年勤務して3,000万円の退職金を一時金でもらった場合、課税対象額は400万円で、税金は372,500円 となります。2037年までは復興特別所得税として2.1%加算されるため、実際は380,322円です(1円未満の端数は切り捨て)。

なお、退職所得とみなされるためには、「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先へ提出しなければいけません。提出すると、源泉徴収されて退職金が支給されます。提出しないと一律20.42%の源泉徴収です。

一方、年金形式は毎月一定額を受け取る方式で、「雑所得」となります。控除される額は以下のとおりです(2019年11月現在)。

1年間の退職金と公的年金の合計(★) 控除額
65歳未満 130万円以下 70万円
130万円超410万円以下 ★×0.25+37.5万円
410万円超770万円以下 ★×0.15+78.5万円
770万円超 ★×0.05+155.5万円
65歳以上 330万円以下 120万円
330万円超410万円以下 ★×0.25+37.5万円
410万円超770万円以下 ★×0.15+78.5万円
770万円超 ★×0.05+155.5万円

受け取れる額は年金形式のほうが多くなる可能性はありますが、税制面では一時金のほうが優遇されているといえるでしょう。このように、運用するときは税金で引かれる分を考慮しなければいけません。ここで割り出された課税対象額は、ほかの所得と合算され、そこから控除した上で、最終的な所得税が決定します。

用途に応じて退職金を使う

せっかく退職金を運用しても、生活資金が足りなくなって、すぐに解約していたのでは、高利回りを期待できません。

また、全額預けるのは万が一損失を出したときに、生活できなくなる恐れがあります。

退職すると、働いて挽回するのは困難です。

そうならないように、あらかじめ退職金を用途に応じて分けます。

日常生活費など1年以内に使う予定がある「短期資金」、家財道具の買い替えなど5年以内に使う予定がある「中期資金」、しばらく使う予定がない「長期資金」の3つです。

短期資金は簡単に引き出せて元本割れしない普通預金に、中期資金は利息が期待できて元本割れしない定期預金や国債に回し、長期資金で運用します。

退職金の主な運用方法

退職金のように大きく減らせないときは、どこで運用すればいいのでしょうか。主な運用先を3つ紹介します。

退職金向けの定期預金

銀行の預金は、元本割れしないのがメリットです。

たとえ銀行が倒産しても、預金保険制度の対象なら1,000万円までの元本とその利息が保証されます。けれども近年は未曽有の低金利で、ほとんど利息がつかないのがデメリットです。

その中で、退職金向けの定期預金を扱っている銀行がいくつかあります。

通常は年利0.01%のところ、0.2~1%になるというものです。

ただし、高い金利が適用されるのは最初の数ヶ月に限定されていたり、NISA口座の開設や一定額の積立など銀行が提示する条件を満たさなければいけなかったりします。

利用するときは、しっかりと確認しましょう。また、利息には20.315%の税金が発生します(2019年11月現在)。

投資信託

投資信託とは、集めたお金を投資のプロが運用し、その成果を分配するものです。

銀行預金と違って元本割れするリスクはありますが、複数の金融商品に分散投資してくれるので、株やFXのように短期間で極端に減ることは、ほとんどありません。

さらに投資信託は、積立などで購入するタイミングをずらすと、価格の上下に影響されづらくなります。投資信託によっては5%以上の高利回りも期待できるでしょう。NISA(またはつみたてNISA)であれば、毎年120万円(つみたてNISAは40万円)の元本に対する配当や譲渡益が非課税です。

ただし、一部の投資信託は買い付けるときに手数料が発生しますし、選び方を間違えると損失を出してしまいます。利用にあたっては担当者のいいなりになるのではなく、事前に勉強して知識を身につけたいところです。

個人向け国債

国債とは、国が発行する債券です。

債券を購入すると国にお金を貸したことになり、その期間に応じて利子を受け取れます。元本割れはしません。

期間中ずっと金利が固定される「固定3」と「固定5」、金利が変動する「変動10」の3種類があります。

数字は満期までの年数です。毎月発行されており、発行日の1ヶ月前に金利が公表されています。どんなに低くなっても下限は年0.05%です(2019年11月現在)。

1年以上経過すると、中途換金が可能ですが、直近2回分の利子が引かれてしまいます。また、利子に対する課税は銀行預金と同じく20.315%です。

退職金の運用だけでも心配ならハウス・リースバック

退職金の運用は、必ずしも思い通りになるとは限りません。

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ハウス・リースバックは、持ち家を売却して現金化できるだけでなく、ハウスドゥとリース契約を結んで、引き続き住んでいただくことができます。

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老後も安心して暮らせるでしょう(※物件によりご利用できないケースもあるので事前に確認しましょう)。

まとめ

退職金を運用すると、高い利回りによって使い果たすのを遅らせるだけでなく、老後資金の足しになって、ゆとりある生活を送れるようになります。

ただし、金融商品によっては元本が保証されていないので、全額を費やすのではなく長期資金で運用するのが大事です。

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ハウス・リースバック編集部

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