老後を過ごすのにリバースモーゲージという選択肢は有効か

2019.09.30 更新
ハウス・リースバック

この記事を読むのに必要な時間は約 19 分です。

退職を迎えて、やっと夫婦二人でゆっくり過ごす時間ができたのに、まとまったお金がない。

そんなときに便利なのが、リバースモーゲージです。

リバースモーゲージについての詳細を、メリットやデメリット、安心して利用するために知っておくべきリスクとともにご紹介します。

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リバースモーゲージって?

持ち家を購入するときに、将来の資産運用や土地活用も視野に入れた方は多いのではないでしょうか。

老後のお金に困ったときに売却すると、まとまったお金を手に入れられるのが持ち家のメリットです。

しかし、同時に住むところを失ってしまう心配があります。

リバースモーゲージは、「まとまった資金は欲しいけれど、家を手放すのはちょっと困る」という方に選択肢のひとつとしてご紹介する、持ち家の活用方法です。

リバースモーゲージとは

リバースモーゲージとは、簡単に説明すると、持ち家を担保にしてお金を借り入れることができるサービスです。

定年後には再雇用や年金支給など、ある程度のお金を得られる方法はありますが、大きなお金を用意するのは難しくなってきます。

近年は再雇用や年金支給そのものが期待できないと不安視する方も多く、新しい資金調達の方法のひとつとして、リバースモーゲージが注目され始めました。借り入れたお金は、債務者が亡くなった後に担保となっていた不動産を売却することで回収されます。

不動産が不要となってから債権回収が始まるため、売却した場合のようにその後の住宅事情で困らずに済むのがメリットです。

融資の方法はリバースモーゲージを提供する金融機関や利用時の年齢にもよりますが、「年金型」「一括投資型」「随時融資対応型」の3種類があります(名称も金融機関によって異なります)。

年金型は、年金のように定期的に融資される方法です。金融機関によって融資のタイミングは、毎月だったり年1回だったりします。

一括投資型は、一度に限度額まで融資される方法です。リフォームや住み替えなど、まとまったお金が必要なときに役立ちます。

随時融資対応型は、お金が必要なときに必要な分だけ融資される方法です。カードローンと同じ感覚で利用できます。

このように利用者のニーズに合わせて、融資の方法を選べるのは便利です。

どんな方におすすめ?

リバースモーゲージを実際に利用している方の例から、以下のような方こそリバースモーゲージの利用がおすすめです。

・老後の生活資金を確保したい方

・旅行・レジャーの資金が欲しい方

・リフォーム・リノベーションの資金が欲しい方

・急に介護資金が必要になった方

・介護施設に入りたいが持ち家は手放したくない方

近年は退職金制度のない会社が多くなってきたことから、定年退職時にまとまったお金を得られる可能性は低くなってしまいました。そのため、せっかく退職してセカンドライフを楽しもうと思っても、先立つものがなく、再雇用やアルバイトを検討しなければならない高齢者が増えています。

リバースモーゲージを利用すると、家を担保に資金を借りられるうえ、家を明け渡す必要もありません老後の生活資金を確保しながら、家も手放さずに済むのです。

再雇用やアルバイトの安い給料では、今後の生活費が不安だという方や、貯蓄の残金が心配だという方は、老後の生活資金確保の選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

他にも、老後の夫婦二人で海外旅行や日本一周旅行など、今までできなかったレジャー関係の軍資金として活用する方法もおすすめです。

リフォームやリノベーションなど、持ち家をより住みやすくする資金として、

あるいは介護用品の購入や介護施設への入居料に充てるお金としても役立ちます。

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リバースモーゲージのメリット・デメリット

リバースモーゲージを正しく活用するには、メリットとデメリットの両方を理解しておく必要があります。とくにデメリットは手続きにも関わる点があるため、必ず確認しておきましょう。

この項目ではリバースモーゲージのメリットとデメリットをまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。

 

メリット

リバースモーゲージ最大のメリットは、やはり大きなお金を確保できることでしょう。

加えて、単純なローンと異なる、以下のような特徴もメリットといえます。

・持ち家を売却する必要がない

リバースモーゲージは持ち家や土地を担保に、お金を融資してもらうため、持ち家は引き続き自分のものです。融資された金額を手元資金で返済すれば、持ち家を手放すことなく相続もできます。

・そのまま家に住み続けられる

一般的に持ち家を売却すると、すぐに退去しなければいけません。リバースモーゲージは売却ではなく担保にして融資するだけですから、そのまま持ち家に住み続けられます。

高齢になると賃貸の入居を断られるケースが多いため、資金を確保しながら家に住み続けられるのは安心です。退去に伴う環境の変化に戸惑うこともありません。

・毎月の支払いは金利のみ

リバースモーゲージで融資された元本は、利用者が亡くなったとき(配偶者に引き継がれたときは配偶者が亡くなったとき)に持ち家を売却して清算します。利用中は金利分を毎月支払うだけです。

金融機関にもよりますが、近年は低金利により年利3%程度と、それほど大きな負担にはなりません。この仕組みを応用して住宅ローンから借り換える利用者もいます。返済するのが金利分だけになるため、ずっと負担が軽減されるでしょう。

・借入期間の制限がない場合がある

一般的なカードローンは、利用できる年齢に制限があり、70歳を超えても利用できるカードローンは、ごく少数です。

金融機関にもよりますが、リバースモーゲージは原則として一生涯利用できます。高齢になってから必要なときにお金を借りられるのは重宝するでしょう。

借金を相続させずに済む

相続するときに借金があると、相続人は返済の義務を負います。相続したくなければ、相続放棄や限定承認といった手続きをしなければいけませんが、プラスの財産まで手放さざるを得ないのが難点です。

リバースモーゲージは利用者が亡くなったときに持ち家を売却して清算しますから、原則として借金を相続させる心配はありません。清算してもなお売却金が残った場合は、相続できます。ただし、持ち家や土地の評価額が下落して、持ち家を売却しても完済できない場合は、他の資金で返済を求められるかもしれません。

 

デメリット

魅力的なリバースモーゲージですが、条件などのデメリットがあるのも確かです。

たとえば、以下のようなデメリットは事前に知っておきたい点です。

・使い道が限られやすい(生活関連の資金のみ)

リバースモーゲージは、老後の生活資金という目的により、持ち家を担保に低金利で融資するという側面があります。そのため、融資されたお金の使い道は本人や配偶者の生活資金に限定されるのが原則です。

例えば、事業用や投資用の資金に使うのは禁じられていますし、金融機関の中にはレジャーなどの遊興費は認めないところもあります。使い道は融資時をはじめ、定期的に確認されるので、ごまかすことはできません。

・担保となる住宅に制限がある

リバースモーゲージは、すべての持ち家で利用できるわけではありません。建物や土地の評価額が基準以上であるのはもちろん、金融機関によっては戸建だけを対象にしたり、地域を限定したりしています。マンションや地方の持ち家は利用できないのがほとんどです。

他にも、夫婦以外の家族が同居していると利用できなかったり、火災保険の加入が必須だったりするなど、さまざまな制限があります。

・相続人全員からの承認が必須

相続人にとって、被相続人の持ち家は相続財産の1つになります。何も知らされずに、リバースモーゲージで亡くなった後に売却され、借金を清算されると当てが外れてしまうでしょう。

そうならないように、リバースモーゲージを利用するときは、推定相続人全員の承認が必要です。誰か1人でも承認しなかった場合は、いくら本人が希望しても利用できません。

承認は同意書という形で提出するので、推定相続人の数が多いほど、集めるのに時間がかかるでしょう。

リバースモーゲージのデメリットについては、以下のページでも詳しくご紹介しています。

「長生き?金利?リバースモーゲージのデメリットは?」

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リバースモーゲージのリスク

メリットとデメリットに加え、リバースモーゲージを利用するうえで知っておくべきリスクも十分に理解しておきましょう。

ここでは、リバースモーゲージを利用した場合に起こり得るリスクについてまとめています。

長生きのリスク

一生お金に困らないメリットがあるかのようなリバースモーゲージですが、あくまで『担保とした持ち家の価値の範囲内でお金を借りる』ことです。

長生きすると、融資限度額の条件を超えてしまい、新しい資金調達が困難になってしまうこともあります。担保となる家の価値以上は借り入れることができないため、借入金額を慎重に決め、借り入れた資金を計画的に利用しなければなりません。

金利上昇のリスク

リバースモーゲージの多くは、変動金利を採用しています。金利が下がれば良いのですが、上がる可能性もあり、結果的に返済額が大きく膨らんでしまうリスクを孕んでいる点は無視できません。

金利上昇によって担保割れが起こり、借入金額と著しい差が生じた場合、持ち家を売却したうえでさらに返済を求められることもあります。

地価下落のリスク

リバースモーゲージでは、建物よりも土地の価値に重きを置くケースが多いです。しかし、土地の価値は一定ではなく、社会情勢や再開発によって毎年変動の可能性があるものです。

土地の評価額が下落すると、担保にあてた持ち家や土地だけでは不十分となり、追加の担保を求められることも考えられます。金利上昇時のケースと同様、借入金額と著しい差が生じると、売却や一括返済となるリスクがあることを理解しておきましょう。

借入金額をいくらにするか、土地の価値が下落した場合はどうするか、リスクも含めた資金計画が重要です。

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リバースモーゲージと似ている??リースバックとの違いについて

住んでいた家にそのまま住み続けることができる、という点では、リースバックとリバースモーゲージはよく似ています。

リバースモーゲージを検討している方は、併せてリースバックも検討してみることをおすすめします。

ここでは、リバースモーゲージと一見よく似ているリースバックについてご紹介します。

リースバックについて

リバースモーゲージと同じく今までの家に住み続けることができますが、自宅に対する考え方が異なります。

リースバックは自宅を先に売却し、買主のオーナーから賃貸として借りる方法です。家賃を支払うことで、引っ越す必要なく自宅に住み続けることができます。

表面上は何も変化がないため、ご近所に売却したことを知られずに済むメリットがあります。

また、買取代金は一括で支払われることが多いので(物件・買主により一括で支払いできないケースもありますので事前に確認しましょう)、リバースモーゲージと同じくまとまったお金を得られるのもポイントです。

リバースモーゲージとの違いは?

リースバックとリバースモーゲージは、持ち家に住み続けられるという点で共通しています。けれども、前者は持ち家を売却して現金化するのに対し、後者は担保にして融資してもらうというのが大きな違いです。

他にも、リースバックとリバースモーゲージには以下の違いがあります。

リースバック リバースモーゲージ
資金の使い道 自由 原則として老後の生活資金
年齢制限 成人で意思能力がある人 55歳以上(配偶者の年齢制限を設定する金融機関もある)
収入条件 なし 金利を無理なく返済できる年収
保証人の要不要 原則として不要 原則として不要(配偶者との共有物件であれば、配偶者が連帯保証人になる場合がある)
利用できる人 個人、法人 個人のみ
住める人 単身、夫婦、家族など 単身、夫婦
対象物件 全国の戸建やマンション、事務所、工場など 都心部の土地付き戸建が中心

 

リバースモーゲージと違って持ち家を売却するので、比較的自由度が高く、利用しやすいといえそうです。

リバースモーゲージとリースバックの違いについては、以下の記事でもご紹介しています。

「リバースモーゲージとリースバックを徹底比較!」

リバースモーゲージは金利を毎月支払い(一括で支払う場合もあり)、リースバックは毎月家賃を支払います。

どちらも大差ないように思えるかもしれませんが、リースバックは戸建てに限らず、マンションや工場、事務所などもリースバックの対象という大きなメリットを持っています。

融資を受けるのではなく家を買い取ってもらうので、手に入れたお金に利用制限がなく、自由に使えるのも魅力的です。リバースモーゲージでは不可とされる起業のための資金など事業関連に充てることもできます。

また、利用者に対してもリバースモーゲージと比較すると制限が少なくなります。リバースモーゲージは高齢者が老後の生活に不安を持たないためのサービスですが、リースバックは高齢者以外の世代や法人でも利用可能なサービスです。

一度手放した自宅を、都合によって再購入することもでき、担保を用意しないためリバースモーゲージのように保証人を探す必要ありません。お金に絡んだ話では、固定資産税の有無も重要ポイントでしょう。

所有権が手元に残るリバースモーゲージは固定資産税が課税されますが、売却して賃貸契約を結ぶリースバックは所有権を手放す代わりに固定資産税を支払う必要がなくなります。

 

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リースバックをするならハウス・リースバック

メリットの多いリースバックですが、そもそも物件を購入してくれる相手を探さなければなりません。

売却後にきちんと家を貸し出してくれることも条件に加えると、リースバックに慣れた信頼度の高い業者に依頼すべきです。

弊社ハウスドゥでは、「ハウス・リースバック」というリースバックのサービスを提供しております。

他社との大きな違いとして、弊社が売却先になるだけでなく、リース契約先にもなるため、お客様がご希望される限り、住み続けられるのがメリットです。資金をご用意いただければ、お客様のタイミングで再度購入もできます。

多くのリースバックでは、売却先とリース契約先が別になるため、2~3年程度の契約1回だけで退去しなければならず、再度購入もできません。弊社なら、さまざまな賃貸借契約をご用意しております。

また、600を超える弊社のネットワークにより、全国の物件が対象です。リバースモーゲージや小規模のリースバックでは断られやすい地方の物件でも、スピーディーに適性な査定を行います。

他にも現金化までは標準で40日であり、最短5日でご用意することも可能です。お急ぎの際もご活用いただけるでしょう。

リバースモーゲージや他社のリースバックでお悩みの際は、ぜひご相談ください(※物件によりご利用できないケースがございます)。

また、買取はハウスドゥが行うため、「代金がきちんと支払われるのか」と不安になることも、「リースバックで合意したのに売ったら退去を求められた」というトラブルもありません。

もちろん、個人を相手に売却するわけではないため、事情があって一旦手放した自宅を再購入する際もスムーズです。

売却先によっては再購入の期限が設けられているところや、2年後に退去か再購入かの2択から選ばなくてはいけない等のケースもありますが、ハウス・リースバックはそのような心配もありません。

やっぱりもう一度自分の所有にしたいと思った方や、当初より再購入時期がズレてしまった方も、ご自身のタイミングで再購入を申し込むことが可能です

再購入しなければならないルールもないので、都合に合わせて再購入せず賃貸として住むことも可能です。

ハウスドゥのハウス・リースバックは、さまざまなタイプのリースバックを用意しており、公式サイトでは質問に答えるだけで自分に合ったリースバックのタイプが分かる診断サービスもあります。

まずは公式サイトで、自分に合ったリースバックを診断することから試してみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

リバースモーゲージは老後の資金を、まとまった現金ですぐに手に入れたいという方にぴったりの融資です。しかし、メリットもあればデメリットもあり、基本的に戸建て物件以外は利用を断られるケースがほとんどです。

似たような方法にリースバックがあります。こちらは戸建以外も対象となり、年齢制限や、同居人の条件等もないため、リバースモーゲージを検討している方はぜひリースバックも検討してみることをおすすめします。

 

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ハウス・リースバック編集部

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※ 締結した契約書の記載事項に反した場合を除き住み続けられる。
※ 再度購入には別途条件有。また、登記費用等の諸経費要。
※ 早期の決済には別途手数料が必要。なお、状況によりご要望に沿えない場合もあり。
※ 残債金額により取扱いできない場合も有。
※ 一部、現金一括で支払できない場合も有。
※ 未成年者との契約には法定代理人の同意が必要となります。