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高齢化が進む日本で、年金の受給年齢の引き上げなどが話題になっています。誰しも収入が減ってしまう、老後の懐事情の悩みはつきないもの。そんな中、老後の資金対策としてリバースモーゲージという言葉を耳にしたこともあるのではないでしょうか。リバースモーゲージは高齢者でも金融機関から借り入れができて便利な仕組みですが、はたしてデメリットはないのでしょうか。リバースモーゲージの仕組みと共に説明していきます。
リバースモーゲージって何?メリットは?
リバースモーゲージとは「自宅に引き続き住みながら、その自宅を担保にして金融機関から融資を受けられる」仕組みです。主に銀行などの金融機関が取り扱っており、一部自治体で取り扱っているところもあります。契約している間は利息だけを支払う必要があり、元本の返済は必要ありません。契約者がなくなった時、もしくは契約期間が終了した時に、自宅を売却して借入資金を一括で返済する仕組みになっています (金融機関によっては利息も元本に組み入れられて、期間中の支払が不要なところもあります) 。
《メリット》
・住んでいる自宅に住み続けられる。
・契約期間中は元本の返済が必要ない。
・高齢者であっても借り入れができる。
・まとまった現金を手に入れられる。
なんといっても一番のメリットは、今住んでいる自宅にそのまま住み続けられることでしょう。高齢になると引っ越しだけでも大変ですし、今まで住み慣れた家や街から離れることに抵抗もあるでしょう。家を売却した資金で賃貸物件に引っ越すという選択肢を取らなくても、まとまった資金を手に入れられるのは大きなメリットです。
また融資と聞くと返済のことが頭をよぎるかも知れませんが、その心配も不要です。契約期間中は利息の支払いだけでいいですし、金融機関によっては利息が元本に組み入れられることで、契約期間中の返済が一切必要ない場合もあります。さらに収入が少なくなる「高齢者にとってはお金を借りることができる」といったこと、それだけでもメリットの一つです。
こんなにある!リバースモーゲージ6つのデメリット
これだけ聞くと、「リバースモーゲージの仕組みは、良いことばかりなのでは」と感じますよね。ただ、メリットが多い一方でデメリットもいくつかあります。ここでは6つ紹介します。きちんと知った上で申し込むのかどうか判断しましょう。
①対象地域や物件が限られている。
リバースモーゲージは自宅を担保にし、契約終了時に金融機関がその担保を売却して資金を回収します。ということはその自宅に不動産価値がないといけません。しかも、建物の価値は時が経つほどに下がっていきますので、土地部分が評価の中心となります。
すなわち、マンションであったり、地方の物件であったりすると融資の対象にならない場合が多いのです。必然的に都心部の一戸建てに住んでいる人しか利用できなくなってしまいます。ただ一部の金融機関ではマンションであっても対象となる場合があるので、取扱のある金融期間にご相談ください。
②夫婦以外の同居人がいてはダメ!
お子さんやお孫さんと同居している場合、リバースモーゲージは利用できないことが多いです。なぜなら、契約期間終了時点で売却が前提になっているので、その際に同居人がいるとスムーズな売却ができなくなってしまうからです。
③使い道が制限されてしまう場合がある。
ここは金融機関によって大きく違うのですが、借り入れた資金の使いみちがリフォームや医療費など予め定められている場合があります。また、もし使い道が自由であっても少し利率が高くなっているケースなどもあります。
④思ったほどの金額が借りることができない?
リバースモーゲージは担保となる物件の価値で融資の上限が左右されます。さらには、将来の価値下落のリスクなども考慮されるために、実際に借り入れられる金額は担保の価値よりもディスカウントされてしまいます。実際に、金融機関に相談してみると「思ったほど借りることができない」と気付くかも知れません。
⑤相続人の同意が必要!?
リバースモーゲージを申し込む際には、推定相続人全員の同意を取る必要があります。これは、自宅の売却時になっておこりうるトラブルを避けるためです。実際に売却等の手続きを対応するのは相続人ですし、相続されると思っていた家が売却されると知らなかった場合には、トラブルが起きる可能性があります。
⑥3大リスクを考えないといけない。
契約をした後には3つのリスクがつきまとってきます。1つ目が「長生きのリスク」。リバースモーゲージには契約期間が設けられます。長生きは素晴らしいことなのですが、契約期間を超えて長生きとなった場合に追加の借り入れができず、最悪の場合は自宅の売却がされた上に借金が残ってしまう恐れもあります。
2つ目と3つ目が「金利の上昇リスク」と「担保の価値下落リスク」です。市場の金利が上昇することで、融資の上限が下げられてしまったり、自宅の売却を迫られたりする可能性があります。また担保である不動産の価値が下落した場合も同様です。
リバースモーゲージよりリースバック?
このようにリバースモーゲージにはメリットもありますが、その分デメリットも多くなっています。そこで別の方法として検討したいのがリースバックです。
リースバックとは物件によりますが、「自宅を売却するものの、リース料(家賃)を支払うことで引き続き自宅に住むことができる」仕組みで、主に専門の不動産会社が取り扱っています。リバースモーゲージと違う点は、リバースモーゲージは借入という形でお金を手に入れ、自宅の売却は最後である一方、リースバックは先に自宅の売却をし、売却資金としてお金を手に入れる方法です。どちらも現在の自宅に住み続けることができるという点は一緒です。
リースバックには以下のようなメリットがあります。
《メリット》
・リース料を支払いながら住み続けられて、一定期間で勝手に自宅を売却されることがない。
・金利の上昇の影響を受けない。
・売却資金はもちろん使い道が自由。
・対象地域が広く、マンションや店舗等でも利用可。
・子供や孫と同居していても利用可。
こうしてみてみると、リースバックではリバースモーゲージのデメリットを概ね解消した上で、同じメリットを受けられます。両方の仕組みを比較してみて、どちらがあなたに合った方法化検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
リバースモーゲージは、老後の資金対策として有用ですが、利用できる人が限られていたり、コントロールできないリスクが存在したりします。そこでリースバックを検討してみてはいかがでしょうか。地方にお住まいの方でもハウスドゥのハウス・リースバックでは全国対象ですので、ご自身の家が対応可能か、まずはお気軽にお問い合わせください。