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老後資金を検討する際に耳にする、リバースモーゲージとリースバック。どちらも今住んでいる家に住み続けながら、現金を得られる方法です。では、この2つの方法、いったい何が違うのでしょうか。
徹底比較その①:まずは仕組みを確認
まずはそれぞれがどういった仕組みなのかを解説していきます。
現金を得られる点は一緒ですが、仕組みや性質は全く違います。仕組みが違うために後程解説する条件やデメリット・リスクなどに違いが出てくるのです。
「リバースモーゲージ」
リバースモーゲージは、自治体や金融機関が提供しているサービスで「今住んでいる家を担保にして、金融機関からお金を借りる方法」です。”借入資金”として現金を受け取ります。
そして、死亡時もしくは契約期間が終了したタイミングで家を売却し、その売却資金で借入資金を一括で返済します。借入ですので利息は発生しますが、金融機関によっては都度借入残高に組み入れられるため、契約期間中の返済は不要なケースもあります。借入資金の受取方法には①一括で受取る、②年金のように定期的に受取る、③限度額を上限に適宜受取る、などがあります。
「リースバック」
リースバックは、主に不動産業者やリース業者が提供しているサービスで「今住んでいる家を売却するものの、リース料(家賃)を支払うことで、引き続き同じ家に住み続ける方法」です。家の”売却資金”として現金を受け取れるので、まとまった現金を手にすることができます。
徹底比較その②:条件や対象は?
仕組みが分かったところで、次にそれぞれ利用するにあたっての条件や対象となる人はどういう人なのか、といったところを見ていきましょう。
「リバースモーゲージ」
リバースモーゲージは借入という性質のため、利用にあたって様々な条件をクリアする必要があります。
まずは申込み可能な年齢。自治体や金融機関にもよりますが55歳以上しか利用できないケースが多いようです。これはもともと高齢者の老後資金を対象にしたサービスであるからといえます。
次に物件ですが、家を担保にした借入のため家自体に不動産としての価値がないと利用できません。すなわち経年劣化していく建物部分でなく土地部分に関して担保価値が評価されるため、マンションの場合は不可とされることが多く、一軒家に住んでいる方が主な対象者となります。
さらには物件のある地域は大都市圏などに制限されることも。また、あくまで借入ですので資金の利用用途についても金融機関によっては制限していたり、金利に差をつけていたりするところがあります。
最後に、忘れてはいけないのが子供などの同居人がいる場合に利用できないという点です。仕組み上、最後には家を売却して借入資金の返済が必要になるため、手放す際に引き続き居住する可能性が高い者がいた場合、スムーズな売却が難しくなるからです。
このようにリバースモーゲージの利用には多くの条件や制限があります。利用する金融機関によっても条件は違いますので、詳しくは近くの金融機関まで相談してみるのがおすすめです。
「リースバック」
一方でリースバックを利用する条件ですが、それほど多くありません。まずは売却後のリース料(家賃)の継続的な支払が見込めない場合は利用できないことがあります。
次に住宅ローンの残債が売却額を大きく上回る場合です。
ただこれも各々の状況によっては利用できるケースもありますので、一度相談してみるのがいいでしょう。最後に、リバースモーゲージでもあったように業者によっては物件の地域や種別が制限されている場合があります。
徹底比較その③:デメリットとリスクは?
リバースモーゲージとリースバックのどちらも、今の家に住みながら現金を受け取れるというメリットの一方でデメリットやリスクもあります。とても重要なポイントですのできちんとチェックしておきましょう。
「リバースモーゲージ」
リバースモーゲージのデメリットとしては上で説明したように、条件や制限がありそもそも利用できるかがわからないこと。さらにもう1つ、推定相続人全員に同意を得る必要があるということがあげられます。
どういうことかといいますと、リバースモーゲージの仕組み上、売却や返済の手続きは契約者の相続人が行うことになります。そのため、その対応をする人が何も知らないではトラブルの原因になるため、金融機関は、推定相続人の同意を必要としているのです。
次にリスクですが大きく3つが挙げられます。
1つ目が借入金額です。借入できる金額は担保価格をもとに計算されます。その際には利息相当分や担保の下落リスクなども考慮されるため、実際の借入金額は担保価格を大きく下回ることになります。そのため、希望する金額に届かない可能性があります。さらに、将来的に金利が上昇した場合には契約期間の途中で融資上限額に到達し、それ以上借入ができなくなるといったことも起こります。
2つ目が長生きです。多くの金融機関では契約期間が定められています。例えば契約期間が20年であった場合には、長生きして20年を超えた場合でも契約期間の終了をもって自宅が売却され一括返済されてしまう恐れがあります。すなわち住まいを失ってしまうのです。
3つ目が担保の評価額の下落です。金融機関は定期的に担保の再評価を行います。その結果次第では融資の限度額が引き下げられ、計画通りの借入を受けられなかったり、既に融資された金額の一部返済を求められたりする恐れがあります。
「リースバック」
リースバックには以下のようなデメリットも
・売却価格が周辺相場よりも安くなりがち
・毎月のリース料の支払いが発生する
・再度購入は可能だが、その費用は売却価格よりも高くなる場合も(取り扱い会社により再度購入できないケースもあります)
リスクとしては、リバースモーゲージ同様に長生きがあげられます。リースバックでは毎月リース料(家賃)を支払い続けないといけないので、居住期間が長期となった場合にはトータルでみると売却価額以上の支払になってしまうこともあります。
まとめ
リバースモーゲージとリースバックどちらも老後の資金のためにとても有用なサービスです。ですが、リバースモーゲージは条件が多くて難しいと感じた方は全国の物件(一部例外有り)を取り扱っている、ハウスドゥのハウス・リースバックにご相談してみてはいかがでしょうか。