年金なし…老後資金はどれくらい必要?

2020.01.29 更新
ハウス・リースバック

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老後の生活は、年金ありきで考えるのが一般的ですが、中には年金なしの生活が予想される人もいるかと思います。年金なしの場合は、老後資金についてより厳しく考えなくてはなりません。実際のところ、年金なしの老後資金はどのくらい必要になるものなのでしょうか。年金なしの場合の、老後資金の考え方と老後資金の形成について紹介します。

そもそも公的年金はどのくらいもらえる?

平成30年8月時点での国民年金の満額支給額は、779,300円です。月で割るとだいたい65,000円になります。一方、会社員の加入する厚生年金の平均受給額は、月々約15万円。会社員は国民年金に上乗せして厚生年金が支給されるので、国民年金の支給額を合わせて、月々21.5万円ほどがもらえる計算になります。

公的年金支給のメリット

公的年金は20歳以上60歳未満の国民すべてに加入義務のある制度です。現役時代に支払った額や期間に応じて発生するもので、基本的に退職してから支払う必要はありません。老後資金の要になるものです。

公的年金の受給条件に注意

公的年金は老後の暮らしを支える大きな柱になりますが、公的年金を支払ったことがある人すべてが受給できるわけではありません。公的年金の受給には条件があります。平成30年8月現在の公的年金の受給資格者は、10年以上年金を支払った人です。(国民年金の全面や一部免除を含む)

平成29年7月までは受給資格が25年だったので、法改正により大幅に受給資格は緩和されました。これまで、年金なしと思っていた人も、受給資格が短縮されたことで年金をもらえる可能性があります。まずは、自分がどのくらいの期間公的年金を負担してきたか確認しましょう。公的年金の負担は、定期的に送られてくる年金定期便などで分かります。


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公的年金がない場合、老後資金はどれくらい必要か

公的年金の受給条件は大幅に見直されたと紹介しましたが、中にはあとから納付するのが難しく公的年金なしの人もいることでしょう。公的年金なしの場合、老後資金はどのくらい必要なものなのでしょうか。

公的年金以外の老後資金形成の手段

公的年金なしの場合は、公的年金以外で頼れる老後資金の形成をしておくべきです。老後資金の形成方法として、日本でメジャーなのが貯金ではないでしょうか。貯金は口座にお金を積み立てていくだけですし、年金のように引き出せないわけでもないので使い勝手はよいです。

ほかにも、貯金型の生命保険、個人年金保険といった手段もあります。保険商品と貯金の違いは、貯蓄をしながら生命保険や医療保険などの保険が掛けられるということ。もしものときの対策にもなるので、保険商品を老後資金の形成に役立てるのもおすすめです。

ただし、通常の貯金とは違ってすぐにお金を引き出せないという問題があります。契約内容次第では、支払った額の一部を契約者貸付で借りる方法もありますが、利息が発生するので注意したいです。

老後資金はどのくらい用意しておくべき

年金なしのときの老後資金の形成方法について紹介しました。それでは、老後資金形成の手段を使って用意しておくべき老後の生活費はどのくらいになるのでしょうか。

まず、前提として年金なしの場合、年金分が老後の生活費から差し引けないので、多額のお金がかかることを覚悟しなければなりません。老後にかかる生活費は世帯ごとに異なると思いますが、仮に毎月20万円老後の生活費がかかったとして、年間にすると240万円必要です。

60歳で仕事を辞めたとすると、年240万円ペースで消費していって、20年後の80歳まで生きれば4,800万円。40年後の100歳まで生きれば9,600万円の老後資金のための貯蓄が必要です。

老後の病気などの不安を考えるなら、1億円の貯蓄があったとしても、不安な人は不安を払拭できないでしょう。


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公的年金なしで老後を送るには生活費の見直しが必要

頼れる年金が無かったり、少なかったりした状態で老後を送るには、生活費の見直しをして、支出を抑えなければいけません。どのような点に気をつければいいのでしょうか。

老後に出費が多いと生活が困窮することも

総務省による平成30年の家計調査によると、65歳以上の世帯における1ヶ月の平均消費支出は215,397円 でした。先ほどのように夫が厚生年金、妻が国民年金の組み合わせであれば、なんとか生活できるくらいです。

出典:総務省ホームページ

http://www.stat.go.jp/data/kakei/2018np/gaikyo/pdf/gk01.pdf

ただし、この結果はすべての世帯を対象にしており、2人以上の世帯に限定すると250,555円 になり、単身世帯では152,791円 となります。2人以上の世帯では厚生年金と国民年金の組み合わせだと赤字ですし、単身世帯でも国民年金しか受給していないのであれば生活できません。

定年退職を迎えると、当然のごとく収入は減ります。それなのに現役のころと同じように支出していると、赤字になるのは防げません。蓄えがあっても、早いうちに使い切ってしまうでしょう。

また、老後になると病気にかかりやすくなり、医療費が増えます。介護されるようになるとその費用も少なくありません。つまり、老後は現役のころより支出を抑えて、なおかつ医療費や介護費を確保する必要があるわけです。

老後の収入範囲内で生活を送ることが理想的

老後に収入の範囲内で生活を送るには、最初に収入と支出、いわゆるキャッシュフローを把握します。収入は、働いていないなら公的年金の受給額だけです。支出は家計簿を見て、おおよその額を割り出しておきましょう。

毎月の収入から支出を引いて、不足するようであれば、公的年金以外の蓄え(貯金や退職金など)から充当します。また、自宅の修繕費や車の買い替え、旅行など、不定期に発生する支出もあるので、それらも含めなければいけません。先ほどの医療費や介護費も試算しておきましょう。

ひとまず平均寿命である80代までのキャッシュフローを把握したいところです。

もし期間内に蓄えがゼロになったら、それ以上は生活できません。収入は増えないのですから、支出を減らす必要があります。

定年退職をした後は、毎日の通勤費やスーツ代がかからなくなるので、その分の支出は減ります。逆に時間はたっぷりありますから、現役のころはできなかった趣味や旅行をするようになり、娯楽費や交際費がかさみがちです。

本来はこれらを削減するのが望ましいですが、すべてを我慢するのは味気なくて、つまらない老後になってしまうでしょう。そこで家計を見直し、ほかに削減できる支出がないか確認します。

例えば、毎月の通信費です。最近は、大手の通信会社とは別に「MVNO」という月額料金が安いところが増えています。スマートフォンの使い方にもよりますが、ほとんどの場合、乗り換えで通信費を節約できるでしょう。

また、スマートフォンだけでWebサイトを見るなら、自宅のインターネット回線は不要ですし、通話もできますから固定電話も不要です。その分、支出を抑えられます。

毎月の保険料も見直しで大幅に節約できる支出です。子供がすでに独立しているなら、大きな保障は必要ありません。不要な保険は解約したり、保障額を減らしたりしましょう。解約返戻金があれば老後の生活の足しになります。

自動車も大きな支出の原因です。都心部に住んでいるなら、ほかの交通機関でも代用できるでしょう。自治体によっては、高齢者を対象に運賃を補助しているところもあります。カーシェアリングのように、1台の車を共有することも可能です。たまにタクシーを利用したとしても、車を持つよりずっと安上がりになります。

食費では、食べ切れる量だけを買うのが節約のコツです。現役のころの癖で、つい多めに買ってしまうと、食べ切れなかったり、買ったことさえ忘れたりして腐らせてしまいます。廃棄するのは、お金を捨てるのと同然です。あらかじめ献立を決めて、それ以外は買わないように徹底すると、無駄な支出を抑えられるでしょう。

買い物をするときは、ポイントを貯められる1つの店に固定するのもおすすめです。店によっては、ポイントを現金代わりに使えるところがあります。1つの店に固定すれば、複数の店で分散するよりもポイントが貯まりやすくなるわけです。

どうしても収入の範囲で生活するのが難しければ、子どもからの援助も検討してみましょう。生活保護を受けるにしても、扶養義務のある親族がいると、そちらに頼るよう促されるからです。

ただし、子どもたちにも生活があります。援助してもらうにしても、支障が出ない範囲で収まるように、支出を抑えましょう。

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老後に年金なしだった場合の対策

年金なしの場合、老後資金に1億円の用意があっても不安を覚える人はいると紹介しました。老後、年金なしになった場合、貯蓄以外で他にどのような対策ができるのでしょうか。7つの方法を紹介します。

働く

元気なうちは、外に出て働くと収入になりますし、健康維持にもなります。最近は人手不足により、多くの業種や職種で65歳以上の求人が増えている状況です。

働いて支出をすべてカバーできるほどの収入があれば、年金の受給を繰り下げることができます。増額率は「繰下げ月数×0.7%」であり、最大で70歳まで60ヶ月繰り下げると42%の増額です。老後の生活にゆとりができるでしょう。

しかし、年金(在職老齢年金)を受給しながら職場の厚生年金に入っている場合、毎月の年金と収入が47万円を超えると、年金の支給が一部または全額停止されます。

ちなみに、国民年金に加入している自営業者には当てはまりません。

資産運用をする

貯蓄や退職金など、まとまった資産があるなら、運用して増やすことが可能です。iDeCo(個人型確定拠出年金)は60歳未満でないと利用できませんが、NISA(少額投資非課税制度)なら年齢に関係なく利用できます。NISAは毎年120万円、つみたてNISAは毎年40万円の投資枠まで、運用益が非課税です。

ただし、貯金以外の資産運用は元本が保証されていません。金融商品を外貨で購入する場合も同様です。収入がないのに大きく減らしてしまうと、老後の生活が立ち行かなくなってしまいます。金融商品を選ぶときは、リスクの低さを重視しましょう。

積立にして、投資する機会を分散すると、購入金額が平均化されてリスクを抑えられるといわれています。

リバースモーゲージをする

リバースモーゲージとは、持ち家を担保にしてお金を借りる金融商品です。借りたお金は死後に持ち家を売却して清算します。そのため、生きている間は元本の返済をする必要がなく、せいぜい利息を支払うくらいです。

使い道は、リバースモーゲージを提供する機関によって異なります。老後資金に限定するところや、投資や事業に使う以外なら自由のところもあります。

気をつけたいのは3つのリスクです。まず、生きている間にお金を借り切ってしまうリスクがあります。次に、金利の上昇で利息が増えてしまい、返済の負担が大きくなるリスクです。さらに、持ち家の評価額が下がってすでに借りた額を下回ってしまい、超えた分の返済を迫られるリスクです。

また、リバースモーゲージできる持ち家は戸建住宅に限定しているところが多く、すべての地域で利用できるわけでもありません。メリットとデメリットを理解した上で利用しましょう。

国民年金に任意加入する

まず、国民年金に任意加入する方法です。60歳以上70歳未満であれば、自分の意志で国民年金に入ることができます。国民年金に任意加入すれば、対象期間中に年金を支払って受給資格の条件を満たすことが可能です。

幸いなことに、公的年金の受給資格は10年に短縮されたので、60歳までにほとんど年金の支払いがなかった場合でも、任意加入によって受給条件を得られる可能性があります。

国民年金を後納する

国民年金は任意加入ができると紹介しましたが、これまで納められていなかった分を後納することもできます。過去5年以内の未払いなら、後納によって受給資格の期間を延ばすことが可能です。ただし、後納制度はあくまで年金なしの人を救済するためのもの。

平成30年9月30日までの暫定的な処置になるので注意しましょう。後納で対応できない場合は、国民年金への任意加入をおすすめします。

生活保護を申請する

日本の社会保障の最後の砦として、必要最低限の生活を保障する生活保護制度があります。生活保護は、生活に困窮している人を救済するためのもの。年金がなくても、ある一定の額まで生活の保障を受けることが可能です。

生活保護を受給できれば、日常生活で必要な費用、住宅扶助、医療扶助などが受けられます。ただし、需給にあたっては条件がありますし、申請が必要なものなので注意が必要です。たとえば、家族から援助を受けられる場合、働ける場合、不動産や預金などが十分にある場合は生活保護の受給はできません。

持ち家があるなら…

無年金でも持ち家があれば、大きな資金を作れる可能性があります。持ち家は現金化できるためです。しかも、車などの他の不動産を売るよりも大きな資金源になります。

単純に持ち家を売却する方法もありますが、売却した後も自宅に住み続けたいならリースバックも選択肢として考えてみましょう。ハウスドゥのハウス・リースバックなら、売却後もリース契約によって、引き続き自宅に住めます。

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まとめ

年金なしの場合、老後資金は貯蓄に頼るほかありません。しかし、貯蓄も十分ではない場合、年金なしの生活は厳しいです。公的年金の受給資格は10年に短縮されたので、年金なしの場合は、国民年金に任意加入するなどして、なんとか年金を確保できないか模索してみましょう。

年金の受給資格を得てもなお、老後資金が苦しい場合は、まとまったお金が作れる持ち家を売却するのも良いです。ハウスドゥでは、持ち家を売却してお金を作れるハウス・リースバックを提案しています。

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