相続による不動産を売却して相続人で分割する方法は効果的か?

2019.05.20 更新
ハウス・リースバック

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

相続するものの中に不動産が含まれていると、相続トラブルが起きやすいです。そのため不動産を相続する場合には、どのような方法を取るかきちんと決めておきたいところ。ここでは、不動産を売却して換金し、相続人の間で分割する換価分割について解説します。

換価分割のメリット・デメリット

換価分割とは、相続した不動産を現金に換えて相続人の間で分割すること。相続人の1人が土地、1人が建物というように現物を分ける現物分割や、相続人の1人が不動産を相続する代わりにほかの相続人に金銭を支払うという代償分割と並ぶ遺産相続方法の1つです。換価分割をするときは、売却代金から仲介手数料など売却にかかった費用や税金を差し引いた残金を平等に分割します。

換価分割は、遺産のほとんどが不動産などの現物資産である場合や、相続人全員が取得を希望していない不動産がある場合に有効です。また、代償分割を行いたいけれど代償金が高額で支払いが困難な場合や、相続税を納税するための資金がないときにも活用できます。

換価分割のよい点

換価分割のよいところは、遺産を平等に分け合えることです。建物や土地などはそのままの状態では平等な分割が難しく、相続争いに発展することもあります。換価分割で不動産を現金化してから分け合えば、平等な分割が可能。相続争いを避けられるので、親も安心して遺産を残せます。

また、換価分割を行う際に代表者が1人で相続登記を行った場合でも、贈与税が課税されないのもメリットです。相続人が多い場合は共同で相続することが難しいため、手続きのために代表者1人の名義で相続登記をしたあとに換価分割を行うケースもあります。

その際、代表者からほかの相続人に現金を分けると贈与税が発生するのではないかと思いがちですが、換価分割では贈与税が課税されないので安心です。遺産分割協議書に換価分割をする旨の記載をしておくことで、課税を避けられます。


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換価分割には注意点も多い

分けづらい不動産を売却して現金化することで平等に遺産を分けられる換価分割は、便利な相続方法だといえます。しかし注意点も多いので、ここで確認しておきましょう。

まず、不動産を自分たちの思いどおりの金額で売れない可能性があります。不動産は基本的に時間が経てば経つほど価値が下がり、売却額は減少するのです。つまり、建ててから長い年数が経っている家などは売却額が低くなりがち。必ず希望する売却額を得られるとは考えない方がよいでしょう。

また、相続人全員が換価分割に同意しない可能性があることも考慮しなければなりません。親が亡くなったため住んでいた家を換価分割したいと何人かの相続人が考えても、親と同居していた1人の相続人が家を明け渡したくないと換価分割を拒否するケースもあります。相続分割協議書は相続人全員の合意を得なければ作成できないので、換価分割も1人が同意しなければ不可能です。

さらに、換価分割によって不動産を手放す場合、売却した不動産の所有権はなくなります。売却することで第三者の手に渡り、相続人の所有権は失われるためです。不動産の所有権を持っておきたい場合には、換価分割は適さないといえるでしょう。

そして、相続人に譲渡所得税が発生することがある点にも注意する必要があります。換価分割を行う場合、譲渡所得税は発生する場合としない場合があるのです。所得税には自宅を売却したときに適用される特例があり、譲渡所得から3,000万円を控除できます。そのため自宅を売却して譲渡所得が3,000万円以下になる場合は、所得税が課税されません。

例として、親と長男が住んでいた家を換価分割のために売却し、長男と次男の2人で現金を分けると考えましょう。自宅の売却価格は4,000万円で、売却にかかる諸費用は合計2,000万円、そして譲渡所得は2,000万円とします。換価分割を行う場合は売却価格から諸費用を引いた金額を分割するため、長男と次男は残金と譲渡所得の合計金額4,000万円を均等に分け、2,000万円ずつ手に入れたとしましょう。

その場合、売却した家に住んでいた長男には3,000万円の特別控除が認められるのです。

そのため長男の譲渡所得は控除によって0円未満となり、所得税は課税されないことになります。一方売却した家に住んでいなかった次男には、特別控除が認められません。そのため長男のように3,000万円は引かれず、譲渡所得税を支払うことになります。


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注意点だけでない!換価分割の手続きの面倒さ

これまでに紹介した注意点だけでなく、換価分割には手続きが面倒というデメリットもあります。

結構面倒な換価分割の手続き

まず、遺言書の有無を確認してください。遺言書がある場合には、記載されているとおりに遺産を分配することになります。

換価分割することが決まったら、相続登記を行いましょう。登記事項証明書を取得して不動産の所有権を確認し、相続人を確定します。相続人の確定には、戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍謄本、住民票などが必要です。

その後遺産分割協議を行い、相続人ごとの持ち分を決定します。決定したら相続登記の申請書類を作成し、相続する不動産を管轄する法務局へ提出してください。このとき作成した書類以外にも、相続人全員分の戸籍謄本や住民票など取り寄せた書類や印鑑証明書、固定資産税評価証明書、相続人全員の実印が押してある遺産分割協議書が必要です。

遺産分割協議書には、相続人同士で決めた分割方法や分割する財産などを細かく記載しなければなりません。相続人と非相続人の情報も忘れずに記載しましょう。

専門家に分割をサポートしてもらう方法も

換価分割の手続きは、自身で行うことも可能です。しかし、遠方に住んでいるなどの理由で不動産を管轄している法務局に提出するのが難しかったり、自身で手続きするのが不安だと感じたりする方も多いでしょう。そこで、専門家である司法書士に依頼する方法もあります。

相続登記と遺産分割協議書の作成を司法書士に依頼した場合の相場は、65,000〜90,000円ほどです。サポートを依頼する費用と自身で行う場合の手間や時間を考慮し、依頼するかどうかを決めましょう。

面倒ごとを避けるには相続させる不動産をなくす選択肢も

相続人である子に不動産を残し、無駄に労力をかけさせるのは避けたいと考えている方は、あらかじめ不動産をなくしておく方法も選べます。とはいえただの不動産売却であれば、住んでいる家を失ってしまいますのでおすすめできません。

そこで、リースバックがおすすめです。リースバックは不動産をリース会社に売却して資金を得て、その後も変わらず不動産を利用できるもの。つまり、現在住んでいる家に住み続けながら、家をお金に換えられるのです。リースバックを活用することで遺産は現金となり、相続争いを避けられます。

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まとめ

相続の際に不動産を売却してから現金を分割する換価分割は、多くのメリットがある一方で手続きの複雑さがデメリットとなります。相続時に不動産を現金に換えるのであれば、遺産となる前に不動産を現金化しておくリースバックの活用も賢い選択です。

リースバックの活用を検討している方は、ハウスドゥのハウス・リースバックを利用してみてください。。期間の制限なく現在お住まいのご自宅に住んでいただき、相続のトラブルを避けられます。物件によりお取り扱いできないケースもございますので、まずはお気軽にご相談を。

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