この記事を読むのに必要な時間は約 10 分です。
新しいお店や新規事業を始めようと考えた場合、開業資金を用意しなくてはなりません。
資金の調達方法もさまざまですが、実際にどの調達方法を選んだらよいのか分からない、という人が多いのではないでしょうか?
そこで今回は、開業資金の調達方法について注意点を解説しながら紹介していきます。
創業における資金調達方法の基礎
新しい事業を創業しようと考えたときには、資金を集めなくてはなりませんが、そもそも、どのような資金調達方法があるのでしょうか?
まずは、開業において基礎となる、開業資金を集める方法について見ていきましょう。
開業資金の調達方法を紹介
最初まったく信用がない状態での開業は、資金を調達するのは困難を極めることがあります。
しかし、開業資金を調達していくための方法は、いくつか存在します。
資金調達として利用できる方法についてまとめていきます。
〇出資
出資は、事業の成功を期待して支払った資金であり、将来的に返さなくてもよいお金です。
その代わり出資をしてくれた投資家は株を購入し、株の値上がり益と配当を返していく、という流れになっていくものです。
自己資金やベンチャーキャピタル(VC)が該当します。
〇融資
融資は返済を前提に、投資をしてくれる人からお金を借りる、という意味です。
資金を融通して貸し出すという意味にもなっており、投資をしてくれた人に対して、金利を返していきます。
さらに、返済義務が最初の時点で生じる、というのがひとつの特徴です。
・信用金庫
・日本政策金融公庫の公庫融資
・信用保証協会の融資
・個人借入
などが該当します。
〇その他
上記の資金調達方法とは別で、開業時に資金を集めることができます。
それが、ビジネスコンテストやクラウドファンディングです。
どちらも、信用できるビジネスモデルかどうかを提示していかなくてはなりません。
開業した後のビジョンが魅力的かどうかや、将来性があるかどうかによって、資金調達ができるのかが変わってくるのです。
創業のために知っておきたい資金調達方法
創業当初は何の実績もないため、上記の方法で資金を調達しようにも、なかなか困難になってしまうことがほとんどです。
そんなときには、比較的手軽に融資を受けることができる融資制度でもある、
「新創業融資制度」や「制度融資」という制度があります。
〇新創業融資制度
日本政策金融公庫が執り行っている制度となっており、創業間もない起業者向けの制度です。
銀行などの金融機関から融資を受けようと考えた際には、担保や保証人が必要ですが、
新創業融資制度では不要となる、という特徴を持っています。
用途として事業開始資金であることが絶対条件で、融資は3,000万円を限度額として獲得することが可能です。
さらに、返済期間は各融資制度で定めている期間を基準として、
利率が年単位で1%~2.9%と低金利で借りることができます。
ただし、条件として、自己資金総額の10分の1以上の自己資金額が必要となりますが、これから事業を始めていこうと考えている方であれば、問題なく借りることが可能なので、検討してみてもよいでしょう。
〇制度融資
制度融資とは、金利の一部を自治体が利子補給してくれるという制度のことで、これから開業しようと考えている人にはお得な制度です。
都道府県や市町村区などの自治体が用意している制度で、低金利で資金調達ができるという大きなメリットがあります。
ただし、融資実行までには2ヶ月という期間を要してしまい、
「すぐにでも起業を!」と考えている人には向かない方法でもあるのです。
さらには、自己資金割合が2分の1を求めていることが多いので、比較的少ない融資額となってしまいます。
〇補助金・助成金
補助金や助成金とは、国や各地方に存在する自治体から支給されるお金です。
ふたつの共通点として、どちらも資金を得た後の返済が不要という点が挙げられます。
まず、補助金の場合、ある一定の予算が決められており、融資希望額が支給可能な予算を超えていた場合、資金を受給できない可能性が出てきてしまうのです。
一方、助成金だと、ある一定の条件をクリアすることで、資金を必ず得ることができるという特徴を持っています。
創業補助金や小規模事業者持続化補助金が該当します。
どちらも、創業者のための補助を受けることが可能です。
〇アセット・リースバック
アセット・リースバックはすでに所持しているオフィスや作業場を、ハウスドゥに売却し賃貸としてそのまま活用できるサービスです。
将来的にその不動産を再び購入することも可能。
相談は無料で行っておりますのでぜひ一度ご相談ください。
自己資本と他人資本の比較
資金調達方法を大きく分けると、自己資本と他人資本という方法に分類されます。
では、それぞれの調達方法では、どのような違いがあるのでしょうか?
ここではそれぞれの違いについて解説していきます。
自己資本
自己資本とは、名前のとおり、自分で開業資金を用意する方法を意味します。
自分で資金を捻出することになるので返済が不要となり、将来的に余裕を持った資金計画を立てることが可能です。
もし、事業を上手く継続できた場合、自己資本比率が高いと安定した企業と見なされやすいのも大きなメリットです。
ただし、自分の貯蓄を切り崩していくという形になってしまい、自分に資金がなければ使えません。
もし、開業資金を株主となる方に払ってもらおうと考えても、信頼性がない人には株主となる人が現れず、最初の株主探しで苦労することも十分可能性としてあり得ます。
他人資本
他人資本とは開業の際、他人に資金を融資してもらい、将来的に借りたお金を返済していく方法になります。
他人資本は、個人ではなく多数の貸し手がいることもあり、その分、利息を含めた返済義務があるのが特徴です。
将来的な負担が大きいものの、自己資本よりも現実的な資金調達方法といえるでしょう。
さらに、キャッシュフローに追われる経営よりも、他人資本を積極的に活かせる経営者が優秀と見られることがあります。
開業資金を調達するポイント
では、実際に開業資金を集めようとなった場合、何に気を付けていけば資金を集めやすくなるのでしょうか?
順番に、開業資金を集めるためのポイントを見ていきましょう。
開業資金を調達するポイント
何より資金を融資してもらおうと考えたときや、将来的なビジョンを描いていくためにも、長期間の事業計画を立てておくことが重要です。
例えば、金融機関から融資を受けていく際には、
借主であるあなたが、しっかりと返済を守ってくれるのか、どれだけの収益が見込めるのか、
などを判断材料として、貸主である金融機関が融資をしても大丈夫なのかを検討するでしょう。
そこで、事業計画書には、借入金額・資金使途は明確にしておき、細かく明記しておくことが重要です。
何よりも融資を受けようと考えた場合や、自己資本で開業しようとした場合でも、利益を生み出さなくては意味がありません。
利益を生み出せる創業計画書を作成し、返済のシミュレーションをしておくことは、スムーズな資金調達に繋がるといえるのです。
悩んだ時には・・・
もし、事業計画書を作っていても、自信がない場合や迷ってしまったときには、
公的機関や専門家へ相談するのが一番です。
相談できる場所として、地方自治体や地元の商工会、銀行、信用金庫、信用組合などが設けている、起業家向けの相談センターなどに出向くとよいでしょう。
ほかにも、起業家仲間と連携して、今までの開業した際の取り組みについて聞き取りをすることや、
専門的なアドバイスをもらうことも大切です。
最初からすべてをひとりで執り行うことは、ほぼ不可能なので、すでに知識を持っている人に聞いたほうが圧倒的に効率もよくなります。
まとめ
開業資金の調達をしていく方法は、さまざまですが、実際に調達していくためには、いくつかの条件をクリアしていかなくてはなりません。
しかし、事前に準備をして、自分の事業における信頼性を高めることで資金を得ることが可能となってきます。
まずは、今、自分ができることを理解して、開業に向けての準備をしてみることが必要といえますね。