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長年仕事に追われてきた人にとって、老後の暮らしこそ、やりたいことをして存分に楽しみたいと思うでしょう。
けれども、老後は収入が年金しかなく、それだけでは日々の生活で手一杯です。
老後の暮らしを充実させるには、何をすればいいのでしょうか。
老後の暮らしに必要なお金は?
まずは充実した老後の暮らしに、お金がいくら必要なのか確認しましょう。
老後にもらえる年金
厚生労働省の「平成29年度(2017年度)厚生年金保険・国民年金事業の概況 」によると、1人あたりの受給額は国民年金で55,615円、厚生年金で144,903円でした。
国民年金は40年間欠かさず納付すると、満額が支給されます。
納付期間の違いによる差があるだけで、収入の違いによる差はありません。
一方、厚生年金は加入期間の収入によって支給額が変動します。
このように、実際にもらえる年金はそれぞれ異なるものです。
見込み額を知りたいときは、毎年誕生月に送付される「ねんきん定期便」で確認できます。
また、ねんきん定期便に記載されているアクセスキーと基礎年金番号が分かれば、時期を問わず「ねんきんネット」で、より詳しい情報を見ることが可能です。
老後のお金を準備するためにも、どれくらいの年金をもらえるのか知っておきましょう。
老後に必要な生活費
生命保険文化センターが平成28年度(2016年)に行った「生活保障に関する調査 」によると、夫婦2人が老後に必要だと感じる最低限の生活費は、平均で月22万円でした。
これに、ゆとりのある生活を送るために必要だと感じる費用を上乗せすると、月34.9万円が平均です。
あくまでも平均ですから、これより少なくて十分という人もいれば、多くでも足りないと回答した人もいます。
いずれにしても、先ほどの年金受給額しか収入がなければ、国民年金(約11万円)では全然足りませんし、厚生年金(約29万円)でもゆとりのある生活には程遠いでしょう。
やはり、何らかの形で収入を増やさなければいけません。
老後も安心して暮らしていくためには?
年金の不足を補うには様々な方法があり、その中には老後に入ってからもできることがあります。
詳しく見ていきましょう。
老後のセカンドキャリアを考える
ほとんどの会社では60~65歳にかけて定年を迎えますが、退職直後はまだ働く意欲や体力が残っているはずです。
そのため、定年後も何らかの形で働き続けると、貯金をしていなくても年金の不足分を補えますし、年金の受給を遅らせて受け取れる額を増やすこともできます。
例えば、高齢者を雇う会社で再就職するといった具合です。
ハローワークでは、高齢者の再就職をサポートするための職業訓練を行っています。
例えば設備や施設の管理、造園、清掃、ホテルやレストランの接客などです。
特技を活かして起業するという方法もあります。
定年を迎える頃には、人脈も築かれているでしょうから、意外と早く収入になるかもしれません。
自営であれば定年はありませんから、気力と体力がある限り続けることができます。
ただし、仕事が軌道に乗るまでは出費がかさみますし、ときには赤字になって破綻するかもしれません。
そこで会社が副業を許可しているのであれば、
現役の頃から、就業規則に違反しない範囲で副業するのがおすすめです。
例えば、ラーメン屋を開きたいのであれば、仕事が終わった後にラーメン屋でアルバイトをしてみると良いでしょう。収入になるだけでなくノウハウも学べます。
このように、老後も働き続けられるよう、定年前から準備をしておくと良いでしょう。
自分で年金を蓄える
年金の不足額を補う上で、貯金は欠かせません。
貯金を増やすための制度もあります。
例えば、会社に勤めているなら「財形貯蓄制度」を利用できるかもしれません。
毎月一定額を給与から天引きして運用する制度で、「財形年金貯蓄」であれば550万円の元本につく利子が非課税になります。ただし、年金以外の目的で引き出すと、非課税にはなりません。
また、保険型の財形年金貯蓄は、380万円が利子非課税の上限となります。
「個人年金保険」は、保険料を払い込んだ後、契約で定めた年齢に達したときから、一定期間あるいは一生涯、年金をもらえる保険です。
基本的に、払い込み期間中に死亡した場合は、それまで払い込んだ保険料に相当する額が支払われますが、年金の受け取り期間の死亡保険金はありません。
大きく分けて3種類あり、確定年金は本人が死亡しても遺族に引き継がれるので、満額を受け取れます。
一方、有期年金や終身年金は本人が死亡すると、その時点で年金の給付も終了するため、元本割れするのがリスクです。
近年では金利の低下によって、お得感は薄れていますが、生命保険料控除によって、毎年所得税は最大40,000円、住民税は最大28.000円が控除されます。つまり節税効果があるわけです。
もっと積極的に運用したい場合は、投資する方法があります。
ただし、何の予備知識もないまま、いきなり高額を投資するのは大きく損をするかもしれません。
同じ金融商品でも、積み立てによって購入するタイミングを分散することで、値動きによるリスクを軽減できます。その仕組みを活用しているのが「つみ立てNISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」です。
つみ立てNISAは、NISA(少額投資非課税制度)の積み立て版であり、投資信託や株式の売却益、配当にかかる税金が、年40万円の投資枠まで非課税になります。
非課税の期間は最長20年から、最大で800万円です。
iDeCoは、自ら金融商品を選んで掛金を運用する制度で、2017年1月からすべての年金の加入者が利用できるようになりました。
売却益や配当が非課税になり、掛金も全額が所得控除の対象です。
第1号被保険者であれば月6.8万円(年81.6万円)まで掛金にできます。
不動産を活用する
使用していない不動産があるなら、誰かに貸せば賃料を得られます。
維持管理を管理会社に任せると、ほとんどすることはありません。
こうした不労所得は、思うように働けなくなる高齢者にとって重宝するでしょう。
ただし、老後になってから投資目的でわざわざ不動産を購入するのはNGです。
必ず借り手が見つかるとは限りませんし、売却するときに買値を下回って損するかもしれません。
むしろ持ち家があるなら、現金化で老後の生活費を確保できます。例えば「リバース・モーゲージ」です。
持ち家を担保にお金を借りられ、死後に売却して清算します。住みながら現金化できるのが魅力ですが、配偶者以外との同居は認められず、対象のほとんどが都心部の戸建住宅です。
また、借りた金額が持ち家の評価額に達してしまうと、それ以上は借りられません。
金利の上昇によって、予定よりも早く借りられなくなる恐れもあります。
そこでおすすめしたいのが、ハウスドゥの「ハウス・リースバック」です。
住みながら現金化できるのはリバース・モーゲージと同じですが、ハウス・リースバックは持ち家を弊社に売却して、リース契約を結んでいただきます。
そのため、好きなタイミングで再度購入できますし、配偶者以外との同居も可能です。
対象エリアは全国におよび、戸建住宅だけでなくマンションや事務所、倉庫なども対象になります。
老後の暮らしを充実させるためにも、ぜひご検討ください。(※物件によりご利用できないケースがございます)
まとめ
老後の暮らしを充実させるには、引き続き働いて収入を得たり、貯金や保険・投資で自分の年金を作ったり、不動産を活用したりする方法があります。年金の不足分を補って、好きなことを楽しめる老後を送りましょう。