この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。
あなたは何歳まで生き続けますか。一般的なサラリーマンは60歳で定年退職となる場合が多いでしょう。しかし、厚生労働省が公表している平成29年の簡易生命表では、現在60歳の日本人男性の平均余命は、23.72歳、60歳の日本人女性の平均余命は28.97歳とされています。定年からかなりの期間、生活費が必要となるのです。
参考元:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life17/dl/life17-02.pdf
60歳時点で老後20年以上にわたる生活費を確保している方は、どれくらいいるのでしょうか。ほとんどがそうではないはずですよね。では60歳以降の生活費はどのように確保していけばいいのでしょうか。考えていきましょう。
老後の必要資金ってどれくらい?
まず考えないといけないことは、そもそも老後の資金がいくら必要なのかを知ることです。ここでは、余命を上記の男女平均である26年と仮定して考えていきましょう。
公益財団法人生命保険文化センターの意識調査によると、「老後の最低日常生活費」という調査では最低必要な老後資金として、月25万未満という回答が約50%を占めています。
参考元:http://www.jili.or.jp/research/report/chousa28th_1.html
しかし、必要最低限では心許ないので月に30万円は必要であると仮定しましょう。ここから単純に計算すると26年×12ヶ月×30万円=およそ9,300万円が必要になります。これだけ見ると「60歳時点でそんな準備は無理だ」と思われるかも知れないですが、ご安心ください。サラリーマンの方でしたら年金が頼りにできます。
総務省の家計調査年報では、夫婦世帯の年金支給額は平均191,880円とされています。
参考元:http://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gy02.pdf
65歳から支給されると考えて21年間では約4,800万円になるため、年金以外で準備が必要な資金はおよそ5,000万円ということになります。
さらに、退職金も重要な老後の資金源です。一般社団法人日本経済団体連合会による「2016年9月度 退職金・年金に関する実態調査結果」によると退職金の平均金額は大卒で23,742千円とされています。よって残り約2,300万円をどのようにして準備していくかを考える必要があります。
参考元:http://www.keidanren.or.jp/policy/2017/041.pdf
老後の必要資金を調達する方法とは
老後資金としていくら不足しているかがわかったところで、どのようにしてその不足分を埋めるか考えていきましょう。ここでは現役時代からの備えではなく、いざ老後と呼ばれる世代になってからでもとれる対策について見ていきます。
投資
資産の形成でよく言われるのが投資です。一言で投資と言っても、さまざまなものがあります。株式、FX、不動産、投資信託など。日本人は投資したがらないと言われていますが、投資も立派な方法ですので自分に合ったものを見つけるのもいいでしょう。
上の例では退職金を元手にした場合年利4.0%ほど(年間92万円、月76,000円の運用益)で運用できれば不足分を補填できるほどになります。
しかし投資には当然元本割れするというリスクがあります。市況環境により思い通りの結果がでないことも十分にあります。利用する際は仕組みをしっかり理解して上手に運用していきましょう。
再雇用やアルバイトで働く
投資は全然わからないし元本割れなんてもっての他という場合には、やはり働き続けるという手段が最も身近な方法でしょう。働いていた会社の定年再雇用制度を利用したり、手に職があればそれを生かして別の環境で力を発揮したりできます。
ただ、やはり歳を取ると10年も20年も働き続けるというのは難しいものです。週5日毎日働くのは体力的に辛く、少ない日数となるとその分手にする給料も満足いくものではないかも知れません。また、そもそも老後は趣味など余暇を充実させたい場合は、もう働きたくないと思うかもしれませんね。
このように、いざ、60歳を迎えたときに資金を準備する方法はとても限られてきてしまいます。
しかしここで改めて考えてみましょう。もしかするとあなたは現在、大きな資産を持っていませんでしょうか。
そう、家です。
ただ、「家を売ればそれはまとまったお金になるけど、住み慣れた家から引っ越すのは抵抗がある」と思う人もいますよね。しかし、そうとは限らないのです。今の家に住み続けながらでもまとまった資金を受け取ることのできる方法を次にご紹介いたします。
家を活用して老後の必要資金を得る
持ち家の方で60歳を迎えたとなると、多くは住宅ローンの支払が終わっているか、もしくは残債が僅かになってきているのではないでしょうか。そんな方にご利用いただける家を活用したリバースモーゲージとリースバックという2つの方法を紹介いたします。
リバースモーゲージ
「家を担保に金融機関から借入をし、死亡時もしくは契約期間終了時に担保である家の売却資金で一括返済する」という仕組みです。
契約期間中は元本の返済が不要で、また借りる方法も①一括で借りる。②年金のように毎月借りる。③限度額を決めて適宜借りる。 などニーズにあった方法を選択できるメリットがあります。しかしその一方で、審査が厳しかったり、マンションは対象外になったり、市況環境の変化によっては十分な資金を得られないというデメリットもあります。さらには夫婦以外の同居人がいる場合には使えなかったり、相続人全員の同意が必要だったりと条件が厳しい一面もあります。
リースバック
「家を売却することで売却資金を得て、その売却主と賃貸契約を結ぶことで引っ越しせずに家に住み続けられる」仕組みです。
リバースモーゲージと比較すると、以下のようなメリットがあります。
・取引相手が銀行ではなく、審査や条件が比較的緩やか。
・一戸建てだけでなくマンションや事務所等も対象になる。
・修繕等のメンテナンスが不要
・固定資産税の支払が不要
・市況環境による金利の上昇や不動産価値下落の影響を受けない
・同居していても利用可能
このように今の家に住み続けながらでもできる資金の確保方法もあります。そのうちリースバックはリバースモーゲージと比較しても利用しやすく、リスクも低く抑えられます。興味のある方は、全国の物件を取り扱っている(一部物件を除く)ハウスドゥのハウス・リースバックに相談してみてください。
まとめ
老後の資金として考えた時、一般的なサラリーマンでしたら約2,300万円が必要です。60歳になるまでにこれだけの備えを用意できればいいですが、そうでない場合には何かで補填しなければいけません。もし現役時代に購入した家をお持ちであれば、その家に住みながら資金調達ができる方法もぜひとも検討してみてください。
老後のお金の悩みを解決して、豊かで悠々自適な生活を満喫しましょう。