介護資金はいくら必要?どうやって捻出すればいい?

2020.01.29 更新
ハウス・リースバック

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高齢になった親を介護するには、自宅で世話をするにしても、施設に預けるにしても資金が必要です。あらかじめ十分な資金が用意されていれば安心ですが、そうでない場合はどうやって捻出すればいいのでしょうか。

介護が必要になった場合にかかる費用

生命保険文化センターでは、3年ごとに「生命保険に関する全国実態調査」を実施しており、その中には介護に対する意識や実態の調査結果も含まれています。平成27年度の調査によると、毎月の介護費用の平均は7.9万円でした(※1)。月に10万円以上かかった人も3割ほどいます。これらは介護保険で賄える分を除いた自己負担分です。

※1:http://www.jili.or.jp/press/2015/pdf/h27_zenkoku.pdf

他にも自宅で介護するとなればバリアフリーにしたり、介護用ベッドを購入したりするなど、初期費用がかかります。施設に入れるなら入居一時金です。平均すると前者は80万円台、後者は施設にもよりますが50~150万円くらいかかります(※2)。

※2:http://www.jili.or.jp/research/report/xls/h27zenkoku/7-27.xlsx

厚生労働省の「平成28年度介護給付費等実態調査」によると、介護保険を受給する人は70代後半から急増する傾向があります(※3)。同じく厚生労働省の「平成29年簡易生命表」では、男性の平均寿命が81.09歳、女性が87.26歳です(※4)。もし75歳から介護が始まったとしたら、男性は約6年、女性は約12年続く見込みになります。

※3:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/kyufu/16/dl/02.pdf

※4:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life17/dl/life17-02.pdf

実際には個人差があるので一概に決められませんが、介護の資金は長期化を見越して男性なら約700万円、女性は約1,300万円用意するのが1つの目安になるでしょう。


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老人ホームと在宅介護ではどれくらい資金が必要?

もう少し、老人ホームと在宅介護とでは、どれくらいの資金が必要なのか詳しく見てみましょう。

老人ホームの場合

老人ホームは、大きく分けて自治体や社会福祉法人が運営する公的施設と、民間の企業が運営する民間施設に分けられます。前者であれば特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)、後者であれば介護付き有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅などです。

公的施設の老人ホームは、主に介護レベルが重い高齢者を対象にしています。例えば特養は要介護3、老健は要介護1以上でないと入居できません。

入居一時金は不要なところがほとんどで、毎月の利用料も特養で月5~15万円程度と民間施設の老人ホームよりも抑えられています。毎月の利用料は、介護保険の自己負担分と、介護保険が適用されない費用の合計です。

その代わり、部屋のタイプが個室ではなく、数人の入居者で共有する大部屋(多床室)になるかもしれません。入居希望者が多いため、空きが出るまで長期にわたって待たされる場合もあります。

一方、民間施設の老人ホームは、誰でも入居可能です。最も介護レベルが軽い要支援1でも、介護を必要としなくても入居できます。部屋は個室が基本で大部屋はありません。すぐに入居しやすいのもメリットです。

費用には幅があり、入居一時金が0円のところもあれば、数千万円ほど必要なところもあります。毎月の利用料はやや高めで、10~40万円が相場です。民間施設の老人ホームは設備が充実して、手厚いサービスを受けられるところが多く、それが入居一時金や毎月の利用料に反映されています。

在宅介護の場合

在宅介護では、自宅がそのまま介護の場となるため、入居一時金がかかりません。毎月の費用も施設を利用するより抑えられるでしょう。

ただし、自宅で介護するための改装費用や、毎月のおむつ代、福祉用具のレンタル、訪問サービスやデイサービスの利用などがかかります。自己負担分は平均すると月に5万円くらいですが、介護レベルが重くなるほど高くなりがちです。認知症が加わるとさらに費用は増えます。

もちろん、介護サービスを利用しなければ費用は抑えられますが、逆に家族の負担が重くなってしまうため、おすすめできません。介護レベルが重かったり、認知症を患っていたりすると、24時間付き添うことになって、外出できなくなったり、睡眠不足になったりします。

介護費用で自己負担が1割(収入によって2~3割)になる金額は、介護レベルにより決まっており、最も重い要介護5であれば月362,170円までです。それ以上になっても自己負担分が一定金額を超えたら、高額介護サービス制度によって超えた分を払い戻してくれます。現役並みの所得がある世帯なら、自己負担するのは最大でも月44,000円です。

最近は「小規模多機能型居宅介護」といって、24時間体制であらゆる介護サービスを提供している事業者が増えています。これらを上手に利用すれば、家族では対処できないケアをしてもらったり、程よく息抜きしたりすることができるでしょう。自己負担額も要介護5で月27,000円くらいです。


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介護費用はどう捻出する?年金だけで足りる?

介護費用は親が負担するのが基本です。けれども親の年金だけでは、まず払えないでしょう。平成30年度の国民年金は満額で年779,300円で、ひと月あたり約6.5万円ですから先述の介護費用の平均である7.9万円に足りません。

厚生年金の平均は、「平成28年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると月145,638円です。介護費用は賄えますが、一時金までカバーするには心もとないかもしれません(※5)。やはり貯金や保険などでまとまった資金を用意しておくのが望ましいといえます。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12500000-Nenkinkyoku/H28.pdf

介護する側である子も、親が元気なうちに資産や収入を把握しておくのが大切です。いざ介護する段階になって「お金がない」と慌てるのでは困ります。事前に確認しておけば資金の見通しが立つだけでなく、親の意向に沿った介護ができるでしょう。

どんなに資金が足りなくても、子が負担するのは避けなければいけません。子にも自身の生活がありますし、同じく老後資金も必要になります。親のお金に手をつけるのは憚られるかもしれませんが、介護のために用意されたものだと割り切って遠慮なく使いましょう。

もし介護資金があるなら、自分で世話することにこだわらず、施設の利用も検討したいところです。自分で世話するのは負担が大きく、ストレスも溜まります。同様に在宅介護を理由に仕事を辞めるのも、収入が絶たれてしまいますし、介護が終わった後に復職するのは大変です。

まずは職場に仕事を休んで介護できないか相談してみましょう。雇用保険の被保険者であれば、配偶者や親、配偶者の親、子に2週間以上介護が必要になったとき、1人につき最大93日まで介護休業給付を受けられます。支給されるのは最大で休業時の日額賃金の67%です(2018年8月現在)。

その上で、休業期間が過ぎたら引き続き自分で世話をするか、施設に預けるか決めればいいでしょう。


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今から備えておきたい介護費用の貯め方

介護は親だけの問題ではなく、子もいずれ必要になるかもしれません。そのときになってお金が無いと慌てるのではなく、前もって備えておきたいものです。どのような貯め方があるのでしょうか。

保険

民間の保険会社が提供する保険商品の中には、年金として利用できたり、介護状態になったとき給付されたりするものがあります。預貯金よりも増える可能性があり、保険料は一定金額まで所得控除の対象です。一方で、中途解約すると返戻金が少ないため、元本割れする可能性があります。

年金として利用できるのが「個人年金保険」です。所定の期間まで保険料を払い込むと、指定した年齢から保険金を受け取れます。60歳までに払い終えて、それ以降に受け取れるのが一般的です。

保険金の受け取り方は大きく分けて確定年金、有期年金、終身年金の3種類があります。

確定年金は年金を受け取る期間が確定しており、途中で受取人(被保険者)が死亡しても遺族が受け取れる仕組みです。

有期年金も年金を受け取る期間は確定していますが、途中で受取人が死亡すると、そこで年金は受け取れなくなります。遺族はすでに払い込んだ保険料から受取済みの年金を引いた額を一時金で受け取れますが、その額は同じ条件の確定年金よりも少ないです。

終身年金は受取人が生きている限り、ずっと年金を受け取れます。ほかの年金保険商品よりもお得に思えますが、受取人が死んでしまうと遺族は何も受け取れません。受取人の生存期間によっては損する可能性があります。

保証期間を設ければ、途中で死んでも確定年金と同じく遺族が残りの年金を受け取れますが、保険料は高くなるでしょう。

介護状態になったとき給付されるのは、「介護保障保険」と呼ばれています。所定の要介護レベルになったとき、保険金が支払われる仕組みです。一時金や年金として受け取ることができます。

認知症を患っていたら上乗せされるなど、保障内容は保険会社によってまちまちです。独立した保険商品ではなく、特約としてほかの保険商品に追加できる場合もあります。

NISA

NISA(少額投資非課税制度)は、毎年120万円の投資分に対する利益が非課税になる制度です。本来は20.315%が引かれるので、普通に投資するよりもお得といえるでしょう。非課税になるのは最長5年間です。今のところ新規に投資できるのは2023年が最後とされています。

NISAには「つみたてNISA」という積立版もあり、こちらは毎年40万円の積立に対する利益が非課税です。期間は最長20年間となります。新規に投資できるのは2037年までです。NISAに比べると、投資できる金融商品は限定されます。

欠点は、どちらも元本が保証されていないところです。ただし、積立によって投資するタイミングを分散すると、値動きの影響を受けにくくなり、長期で保有するほど利益を出しやすくなるといわれています。

iDeCo

iDeCoは個人型の確定拠出年金であり、自分で金融商品を選んで運用します。そのため、運用次第では大きく増えたり、逆に損したりするかもしれません。利益は全額非課税で、再投資もできます。

掛金は加入している国民年金の種類や企業年金の加入状況によって異なりますが、国民年金の第1号者であれば、最大で月6.8万円です。年1回変更が可能で、全額が所得控除の対象となります。

ただし、原則的に60歳までは解約できません。また、利用できるのは20歳以上60歳未満に限られます(条件により加入できない人もいます)。


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介護費用が足りないならハウス・リースバック

どうしても介護費用が足りなくて持ち家がある場合は、現金化して補うことができます。ただし単に売却すると住むところが無くなってしまい、施設に入るならともかく、自宅で介護することはできません。そのために新たな住まいを探すのも、簡単に見つからない恐れがあります。高齢者の入居は断るところもあるからです。

そんなときは「ハウス・リースバック」という方法があります。ハウス・リースバックとは、持ち家を売却した後もリース契約を結んで住み続けられるシステムです。お金がないときや費用を払えないときに介護費用を捻出しつつ、引き続き自宅で介護できます。もちろん、施設に入るときの一時金や月額費用に充ててもいいでしょう。

似たようなシステムに「リバースモーゲージ」があります。こちらは持ち家を担保にしてお金を借りるシステムです。死後あるいは契約期間が終了したら売却して清算します。ハウス・リースバックと違って持ち家の名義が変わらず、家賃の負担もありません。お金は一括でも毎月の分割でも借りられます。

ただしリバースモーゲージには、いくつかの制限があります。持ち家に住めるのは契約者とその配偶者だけで、子の同居は認められません。お金の使い道も生活費や医療費、施設の入居費用くらいに制限されています。対象となる物件は戸建だけで、エリアが都心部に限られることが多いのも難点です。

また、リスクにも注意が必要です。リバースモーゲージは持ち家の売却代金で清算できるよう、借入可能額や契約期間を設定しています。長生きしてこれらを超えてしまうと、退去しなければいけません。金利の上昇や資産価値の下落により、予定より早く借入可能額の上限に達する恐れもあります。

一方、ハウス・リースバックは先に売却してリース契約を結びますから、リース料(家賃)を払いさえすれば、いつまでも住み続けられます。子が介護するために同居するのもハウス・リースバックなら可能です。使い道の制限もありません。マンションや事務所などもハウス・リースバックの対象になります。

ハウスドゥ!でも、「ハウス・リースバック」を提供しております。他社のリースバックと違って全国の物件が対象であり、戸建、マンション、土地、事務所などにも対応しています。(※物件により買取できないケースもございます)。

売却後の物件は弊社が所有者になりますから、固定資産税の支払いもなくなります。いずれ、お客様のタイミングで再度購入することもできます。現金化も最短9日で可能(クイックリースバック利用)なので、お急ぎの際にはぜひともご検討ください。

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まとめ

介護の資金は数百万から1,000万円以上かかるため、年金だけで賄おうとするのは現実的ではありません。早いうちから貯金や保険などで備える必要があります。子も親が健康なうちに資産状況や介護の意向を確認しておきましょう。

持ち家があれば、介護資金が不足してもハウス・リースバックで現金化できます。リバースモーゲージと違って、子が同居しながら自宅で介護できるのもメリットです。

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ハウス・リースバック編集部

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