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老後の資金作りのひとつに、自宅を担保にしてまとまった資金を借りることができる『リバースモーゲージ』という方法があります。
しかし、リバースモーゲージは利用条件などが複雑なため、十分に理解して慎重に検討することが大切です。
この記事ではリバースモーゲージを安心して利用するために、メリットやデメリット、リスクや注意点についてご紹介します。
Contents
リバースモーゲージとは
リバースモーゲージとは、持ち家を担保にして金融機関や公的機関からお金を借り入れることができる制度です。
再雇用や年金支給に不安を感じるシニア層の方が、老後の生活資金を確保するために活用できる手段のひとつです。
ここからはリバースモーゲージの仕組みや特徴についてさらに詳しくみていきましょう。
リバースモーゲージの仕組み
リバースモーゲージを利用すると、自宅を担保に資金を借りられるうえ、持ち家を手放すことなく住み続けられます。
資金は一括で受け取ることも、定期的または必要なときに適宜受け取ることもできます。
借り入れたお金は、ご契約者が存命中に返済しきれなかった場合は、担保となっている持ち家を売却して清算されます。
なお、繰り上げ返済などで元本を完済した場合は、自宅の売却は不要です。
リバースモーゲージの利用条件
リバースモーゲージには、年齢や資金使途、担保条件といった、複数の利用条件があります。
年齢は一般的には60歳以上80歳未満で、資金使途は投機目的の利用は原則認められていません。
さらに担保とする不動産評価額は融資額に大きく影響します。
他にも『単身』または『夫婦のみで住んでいること』など、居住条件が設けられているケースもあるので、事前にしっかり確認しておきましょう。
民間と国が扱うリバースモーゲージの違い
リバースモーゲージは、『民間の金融機関が提供するもの』と『国(自治体など)が実施する公的制度』の2種類があります。
基本的な仕組みは同じですが、公的制度には生活困窮者を支援するセーフティーネットとしての側面がある点が特徴です。
例えば、
・民間の場合:契約時に安定した継続的な収入が求められるケースが多い
・公的制度の場合:収入要件が緩やかで幅広い層が対象となる
また、公的制度では、資金使途は原則として生活資金(住み替えのためのリフォーム資金や医療費等は含む)に限定されています。
リースバックとの違い
リースバックは、自宅を売却し所有権を手放したうえで、買主との賃貸契約により、
引き続き同じ家に住み続ける仕組みです。一方でリバースモーゲージは、あくまで自宅を担保に資金を借りる方法であり、所有権は契約者のまま維持されます。
つまり、リースバックでは「賃貸契約に切り替わる」一方、リバースモーゲージでは「所有しながら住み続ける」点が大きな違いです。
住宅ローンとの違い
住宅ローンとリバースモーゲージは、いずれも自宅を担保に金融機関から融資を受けるというのは同じですが、ローンの返済方法に大きな違いがあります。
・住宅ローンは元金と利息を毎月返済していく仕組み。
・リバースモーゲージでは毎月の返済は利息のみで、元本は原則として契約者死亡後に一括清算
このため、リバースモーゲージは、毎月の返済負担を抑えながら老後資金を確保できる手段として注目されています。
リバースモーゲージのメリット
リバースモーゲージについて理解したところで、ここからはリバースモーゲージのメリットについてみていきましょう。
自宅にそのまま住み続けられる
リバースモーゲージを利用すると、自宅を担保に資金を得ながら、これまで通り自宅に住み続けることができます。
仮にご契約者がお亡くなりになった後も、債務を引き継ぐことで配偶者が住み続けられる仕組みを採用しているケースもあります。
(※制度や金融機関によって異なるため、事前に確認しましょう)
シニア層でも融資を受けることができる
一般的な住宅ローンやカードローンは、利用できる年齢に制限がありますが、リバースモーゲージはおおむね80歳前後まで利用できるのが一般的です。
年齢の条件は金融機関によって異なりますが、シニア層でもまとまった資金を借りられるのは大きなメリットといえるでしょう。
毎月の返済は利息分だけ
住宅ローンは元本と利息を合わせて返済する必要がありますが、リバースモーゲージは毎月の支払は利息のみとなります。
そのため毎月の負担が軽減され、老後の生活資金への影響を抑えることができます。
リバースモーゲージのデメリット
メリットだけではなく、デメリットについても事前にきちんと把握しておきましょう。
資金の使い道が限られている
リバースモーゲージは、主に老後の生活資金を確保するための制度です。
融資されたお金の使い道はご契約者やその配偶者の生活資金に限定されます。
投資目的の利用は原則認められていませんが、事業資金の利用は金融機関により可能である場合もあります。
資金の使い道に関する条件は融資契約時に確認しておきましょう。
担保できる不動産に制限がある
リバースモーゲージは、すべての持ち家で利用できるわけではありません。
一戸建てに加えて、条件を満たせばマンションも担保として利用できます。
ただし、建物や土地の評価額が一定以上でないと利用できない場合もあります。
評価基準は金融機関ごとに異なるため、自宅が融資の対象になるのかを複数の金融機関に問い合わせて比較検討することをおすすめします。
相続人の同意が必要となる
リバースモーゲージを利用する際には、推定相続人全員の同意が必要となる場合があります。
これは担保にしていた家を売却する際、不動産を相続するつもりでいた方とのトラブルを避けるためです。
なお、金融機関によっては、契約者が亡くなった後に配偶者が契約を引き継ぐ仕組みを用意している場合もあります。
リバースモーゲージの3大リスクと注意点
リバースモーゲージには主に3つのリスクがあります。
ここではそれぞれのリスクとその注意点について解説します。
長生きリスクと注意点
リバースモーゲージには、長期の返済リスクを抑えるために契約期間が設けられています。
契約期間を超えて長生きした場合でも追加の借り入れができず、契約者が存命であっても元本の一括返済を求められるリスクがあります。
その場合、家を失った上に借金が残ってしまうという可能性もあるため、長期的な生活設計が重要となります。
金利上昇リスクと注意点
リバースモーゲージの多くは変動金利型です。そのため、契約期間中に金利が上昇した場合、支払う利息も上がり、結果として、毎月の負担が想定より大きくなるリスクがあるため、金利動向には注意が必要です。
評価額下落リスクと注意点
リバースモーゲージの融資額は、担保となる不動産の契約時の評価額によって決まりますが、不動産の価値は変動するため、一定期間ごとに評価額が見直されます。
評価額が下落すると、融資限度額を下げられたり、追加の担保を求められたりする場合もあります。
資産価値の変動リスクを見越した上で利用を検討しましょう。
リバースモーゲージの利用がおすすめな人
リバースモーゲージは次のような方々におすすめです。
老後の生活資金を確保したい方
退職金制度がない方、定年退職後にまとまったお金を得ることができない方にとって、リバースモーゲージは老後の生活資金確保に有効な手段となります。
リフォームやリノベーションの資金がほしい方
リバースモーゲージを活用すれば、自宅を手放すことなく、リフォーム資金やリノベーション資金を確保できます。
住み慣れた家をより快適な空間へと改修したい方に向いています。
自宅の相続を考えていない方
リバースモーゲージでは、契約者死亡後に自宅を売却して返済するのが基本です。
そのため、自宅の相続を考えていない方には適した選択肢といえるでしょう。
リバースモーゲージのよくある質問
Q1:リバースモーゲージを取り組む理由は?
A1:日本は、高齢化・核家族化が進み、結果として空き家率が高まっています。 また、年金問題など将来への不安によって、消費も伸び悩んでいます。 そんな問題を解決するために、私たちはリバースモーゲージに取り組んでいます。 不動産市場の活性化とシニア世代の消費・投資意欲の向上に繋げていくことで、経済がうまく回るような道づくりを目指しています。
Q2:リバースモーゲージは日本で普及していますか?
A2:欧米に比べ、日本ではまだまだ普及しているとは言い難い状況です。 理由としては、「欧米の住宅は丈夫で長持ちするが、日本は木造住宅が多く耐用年数が短い。」、「中古住宅市場の規模が欧米と比べて日本は小さい。」等が挙げられます。 しかしながら、日本においてもリバースモーゲージの市場規模は2兆円以上と言われており、今後ますます普及していくものと考えております。
Q3:金利について教えてください。
A3:取扱金融機関により異なりますので、詳しくは取扱金融機関にお問い合わせください。 現在のお借入れの状況によっては、返済負担の軽減が図れるケースもございます。
まとめ
自宅を担保にお金を借りることができるリバースモーゲージはについてご説明しました。
シニア層でもまとまった資金を確保できるなどのメリットがある一方で、金融機関によっては相続人に同意が必要になることや、長生きによるリスクなどのデメリットもあります。
リバースモーゲージの特性を十分に理解し、将来設計に合わせて慎重に検討しましょう。