【書き起こし】2024年6月期通期決算説明会

  • 2024年6月期 決算サマリー
    それではただいまより、2024年6月期の決算概要についてご説明いたします。
    おかげさまで売上高は、675億79百万円ということで、前期対比で約100億円ほど伸びました。期初の計画比では+17.8%、前期対比では+36.4%という形で大きく増加しました。要因は、やはり不動産売買事業が非常に大きく寄与した形になっています。営業利益、当期純利益につきましても、前期対比二桁の伸びになっています。計画対比では営業利益、経常利益は若干未達に終わりましたが、ほぼ計画通りとなっています。

  • キャッシュ・フロー
    キャッシュ・フローについてご説明いたします。一番の課題でありましたキャッシュ・フローですが、2021年6月期からかなりチャレンジをして、トップラインを上げてきたという形で、フリーキャッシュフローが、年々マイナス幅が大きくなっており、棚卸資産の仕入れを強化してきましたが、有利子負債に頼らざるを得なかったということで、かなり借入が増加しました。課題でありましたフリーキャッシュフローが、2024年6月は61億31百万円ということで、大幅にプラスに転じることができました。この要因は、特に営業キャッシュフローですね。こちらの回転を意識した棚卸資産の減少並びに、金融事業の業態変更ですね、貸出金から保証への転換期に入ったということで、こちらの営業貸付金が大幅に減ったという形で営業キャッシュフローに寄与した形になっています

  • 連結貸借対照表【資産の部】
    連結貸借対照表です。資産の部からご説明いたします。現預金につきましては2023年6月期と比べていただきますと、ほぼ100億円台をキープしているという状況になっています。あと棚卸資産ですね、こちら回転を重視しつつも、不動産売買事業の伸展により、20億98百万円の増加になっています。固定資産につきましては、収益物件の売却に伴い、59億94百万円の減少となっています。総資産につきましては34億59百万円の圧縮をかけられたということで、流動比率並びに固定比率も大幅に良化しています。。

  • 連結貸借対照表【負債・純資産の部】
    負債純資産についてご説明いたします。借入が2023年6月期は有利子負債が606億円ありましたが、2024年6月期末は549億円ということで、約57億円の減少になっています。特に固定資産の売却に伴う有利子負債の減少ですね。こちらが大きく寄与しているという形になっています。自己資本比率も18.5%、10%台でしたが、21.6%ということで3.1ポイントの改善になっています

  • 2024年6月期 セグメント別業績(成長強化事業)
    セグメント別について申し上げます。特に不動産売買事業につきましては、増減率で+73.1%、営業利益で+33.9%ということで非常に大きく増加しています

  • ハウス・リースバック事業(匿名組合投資利益考慮)
    ハウス・リースバック事業ですね。匿名組合投資利益考慮ということで、この赤のラインですが、5億33百万円から3億90百万円に減少しています。ファンドで若干コストが高かった部分がありますので、こちらの匿名組合の配当が若干減少したということですね。有利子負債のピークを迎えた前期並びに匿名組合出資に対する配当の若干の減少に伴い、経常利益が若干未達になった要因となっています。

  • HLBファンド譲渡額と匿名組合投資利益の推移
    HLBファンド譲渡額と匿名組合投資利益の推移です。匿名組合投資利益が前期5億33百万円から3億90百万円に、1億43百万円ほど減っています。これも一過性の内容でございますので、今期は平常に戻るかと考えています。

  • 金融事業
    金融事業につきましては、保証事業を通じて収益を上げるというビジネスモデルが、完成しつつあります。特に今期はもうすでに発表いたしましたように、保証残高も前期末で200億円を超えることができましたので、こちらの方が収益に貢献すると考えています。

  • セグメント別主要指標【リバースモーゲージ保証 提携金融機関】
    リバースモーゲージの提携金融機関ですが、特に関東エリアの増加が著しいということで、東京都23区内に本店がある信用金庫様のうち、11信用金庫様と提携ができたことが、保証残高の向上に繋がっています。

  • 2025年6月期計画:連結業績予想
    中期経営計画の進捗について、フリーキャッシュフローもある程度確保できるようになっていますので、いかにトップラインを上げるかということで、2025年6月期につきましては、売上高700億円、経常利益は40億円を目指していきたいと考えています。

  • 今後の成長戦略
    それでは、私から今後の成長戦略についてお話をいたします。

  • 不動産売買事業
    まず、不動産売買事業ですね。これが今後の成長エンジンに当面していこうと考えています。グラフを見ていただきまして、ポイントは、住宅系、一部の大型以外の伸び率を見ていただきたいですが、しっかりと前期売上高249億82百万円と伸びています。大型物件に頼らずに、しっかりと伸ばしていくという結果が出ていると思います。そして右側のグラフですが、採用を強化しています。営業を増やしていますが、折れ線グラフは平均で、人員を入れるほど平均が下がっています。今は下がってきていますが、入社して大体半年ぐらいで仕入の成果が上がりますので、売却の数字が今後数字に表れるのは、さらに半年後の1年後になります。この折れ線グラフが、上に上がっていくのは、ずれてくるということですね。これはずっと平均しておりますので、さらに追加で人を投入していくと上がりにくいかもしれませんが、人員を増やすと掛ける人数で、仕入そして売却が増えていくということになります。

  • 住宅系売上高の内訳
    そして、中古住宅の比率を上げていきますと宣言していますが、前期のイメージの計画よりも少し低いですが、今後、人をたくさん入れていくと、ぐっと上がっていくのですが、このように実際に増えていっているというグラフになります。確実に、地方の優良エリアの中古物件を増やしていける。この分野は本当に得意ですので、何ら問題なく、やり切っていけると思っています。

  • フランチャイズ事業 店舗数推移
    そしてフランチャイズ事業ですね、これがしっかりと伸ばしていかないといけないのですが、少し反転してきています。営業を強化して、そして契約まで至るにはタイムラグがありますので、若干上がってきたというところで、最近は大阪の中心地や、東京の中心地、今まで地方が結構多かったものですから、中心部が徐々に手応えが出てきています。プロの不動産経験者がこぞって加盟してきていただいています。そこの連鎖ですね。プロ同士ですから、加盟して、早く成果が上がっているという方が多いですから、紹介をいただいて、単独で行くよりも、やはり看板をあげたほうがいいですよねということで、我々の看板を持っていただくということですね。

  • 金融事業(リバースモーゲージ保証)
    では、リバースモーゲージですね。私の肝いりということで、これはもう間違いなく伸びてきています。これはどんどん伸びていくと思いますが、リバースモーゲージは、保証させていただいて、保証料をいただくので、保証料率掛ける保証額で大体収益が読めてきますが、副産物があるんですね。これは、処分ということになります。処分の事例をご説明したいのですが、将来は亡くなられて、不動産を売却して、返済するというスキームです。リバースモーゲージのポイントは、将来の不動産はどうなっているかということですね。我々が保証した額が、将来10年後20年後に担保割れするかしないか、これが非常にポイントになると思いますし、それが無事に売却して回収できるかにポイントがあります。今は、我々がしっかり査定をして、我々が予測する安全な領域のプライスでご提案して、保証を組めていますので、リスクは今のところ少ないと思っています。

  • リバースモーゲージ保証
    改めて我々の強みですが、査定と販売に強みを持っています。そして全国ネットワークですね、北海道から沖縄までエリアを網羅できています。そして店舗から上がってくる取引データベースが強みですね。世の中のインターネットで出ているような取引事例は、市場の半分ぐらいしかありませんので、実際半分以上は眠っています。表に出てない取引事例ということになりますので、特に日本は取引事例のデータベースができてないというのが日本の課題でもありますが、我々は、しっかりとデータベース化しています。

    そして、どのようなLTV(Loan to Value)にも対応できるということですね。リバースモーゲージはある程度のLTVまでしか対応できませんが、その上はハウス・リースバックなど、あらゆるお客様の金額に対応していこうというとことですね。

    そして3番目は、円満な処分ノウハウということで、先ほど申しましたように、お客様のために、ベストな方法を提案できるというところになります。

  • 円満な処分ノウハウとは?
    円満な処分ノウハウとは、債務者の目線で、早期提案、移転先のフォロー、対立型より目的一致型で対応させていただくと。これは、今後金融機関様の債権処理も、リバースモーゲージ以外でも、このようなことで役立っていこうと考えています。

  • 競争優位性(保証事業)
    そしてもう一つの競争優位は、これも何度もお伝えしていますが、通常の保証会社であれば、不動産処分の時に、不動産業者、販売会社を経由してユーザーという流れになりますので、大体20~25%のマージンが必要になります。我々は販売会社でスタートして中間マージン無く処分ができますので、このLTVをお客様に還元できるということになります。コンビニエンスストアなどは、販売からプライベートブランドを作って、製造から販売まで一気通貫でやられています。非常に儲けておられますよね。コンビニエンスストアは小売業ですが、私は不動産業もそういうイメージをして、我々は販売が強かったものですから、販売からメーカーに入っていっていると。メーカーから販売まで一気通貫でやろうというのが、全体的な構想のイメージとして持っているんですね。不動産業者もデベロッパー、販売、分かれていたのですが、やはり我々が得意な販売からメーカーに入っていくというのが非常に強い企業体になると信じています。

  • ハウス・リースバックの戦略的な活用
    そしてハウス・リースバックの戦略的な活用を、これどんどん伸ばしてきたんですけど、最近はですね、非常にリバースモーゲージと相乗効果が出てきているという事例を見ていただいて、今後、リバースモーゲージとハウス・リースバックが協調していくと、いうようになると思うんですね。

  • ハウス・リースバック事業 保有総額・保有件数
    ハウス・リースバックは、在庫が若干減ってきていますが、一時的なもので、しっかりと在庫を維持しながら利益を達成していきたいと思います。どんどん下がることはないと思っていますが、頑張って仕入れをしていきます。

  • 今後の金利上昇の影響予測
    そして、今後の金利上昇の影響予測について、当面、緩やかな上昇になると思いますが、金利が上昇するとどうなるのか考えた結果、やはりリバースモーゲージに流れてくるだろうと思います。特に住宅ローンからリバースモーゲージに切り換えというのは今後主流になるのではないかと思います。そして、事業用融資も、優良なお客様は、リバースモーゲージに流れてきています。まだまだ知らない方が多いので、これがもっともっと認知されていくと、お客様が大量に入ってくると思います。私は4~5年前に、スウェーデンの金融機関に視察に行きました。スウェーデンは、住宅ローンでも、今月は出費が多いから利払いで済まそうということが途中でもできると聞いて、感動した経験があります。ですから、リバースモーゲージ以外の商品を我々が開発して、不動産の余力が十分あれば、出し入れ自由というようなホームエクイティローンや、DOバンク構想というものを以前から提唱しているように、不動産の枠を取って、出し入れが自由にできる、これもご提案していますから、いつかはできると思って、こういう商品を作っていきたいと考えています。

  • 財務戦略
    次に財務戦略ですね。私は、不動産売買事業を伸ばしていこうと言っていますので、大丈夫かということも言われますが、健全にやれば問題ないと思っています。コロナのときに、大型物件を仕入れしまして、売却を進めています。これは成功したと思っています。安い時に買って高いときに売るということで、私はいいと思います。ですからこれを実践しました。リーマンショックの前は、全部不動産を売却しています。そしてリーマンショックの後に、割安の収益不動産を買いました。これも成功しましたね。今回もコロナの時には大丈夫だと思って買いまして、今どんどん売っていっています。今後は、大型物件を買う気はないですね。今は割高なので、そんな危機は来ないと思っていますが、今すぐ買うべきときではない。得意な住宅をしっかり流動性のあるエリアに限定して、しっかり短期で回していくというところでは、多少の金利上昇でも問題ないと思っています。それに対して地方出店の地元金融機関様の関係強化を進めていきたいと考えています。細かい仕入れになりますので、借入も細かくやらないといけないですが、チームを作って、しっかりと連携していきたいと思います。

  • 不動産売買事業の棚卸しを拡大
    そして改めてエリアですが、やはりこのAとBのエリアを限定する、Cエリアは手を出さないということですね。大型分譲や大規模開発をしようと思うとCエリアになってしまいます。Aエリアいうのはほとんどできないですね。Bエリアは、ミニ開発程度はできると思いますが、Aエリアというのは駅から近いとか、人気のあるエリア。そしてその周辺部、さらにCエリアになっていくと難しいですね、こういうエリアは、手を出さないほうがいいと思います。我々は細かく、手間を取りますが一軒ずつエリアを見て買っていますので、少し売れ行きが悪いなと思って値下げをすると売れるというところになると思います。

  • 結論
    結論は、リバースモーゲージ、ハウス・リースバック、いろんなことをやっていますが、結果的にはこの2点になるんですね。仕入の安定化、競争のない安定仕入を目指しています。そしてもう一つは、日本の隅々まで販売網の構築。より安定した仕入れをして、より安定した販売ということで、この2点です。これによって、金融危機や不動産危機、いろんな部分でも非常に割安の安定した仕入れをしていると、打撃も少なくて、処理も早いというところになりますね。これを、時間をかけて育ててきたということです。ですから、ある程度花が咲いてくると非常にいい会社になるのですが、もう少し頑張っていくとくっきりと成果が出てきますので、お願いしたいと思います。

  • 新たな5年計画イメージ
    最後に、正式な5年計画でありませんが、今期の決算発表までには新たな5年計画を立てたいと思いますが、イメージとしては、2029年6月期に売上高900億円~1,000億円、そして経常利益は60億円~70億円にしていこうと、もう少し加速したいと思ますが、このようなイメージを持っています。もうそろそろ結果がシンプルに出てくる時期に入ってきていますので、しっかりと見守っていただければ、ありがたいと思います。