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老後にお金のない生活をするのは避けたいものです。
けれども、年金だけで生活するのは難しいですし、退職金があっても高齢化によって生きているうちに使い果たす恐れがあります。
老後もお金がなくならないようにするには、どうすればいいのでしょうか。
老後にお金がなくなると生活が厳しくなる
まずは、老後に受け取れる年金の現状と、必要な生活費を確認しましょう。
年金だけでゆとりのある生活を送るのは難しい
厚生労働省が毎年12月に発表している「厚生年金保険・国民年金事業の概況」の平成29年度版によると、厚生年金(老齢年金)の平均受給額は月147,051円でした。
あくまでも平均ですから、65歳以上の男性に限定すれば月174,535円となります(女性は108,776円)。それでも年々少なくなっている状況です。
国民年金(老齢年金)に至っては、月平均で55,615円しかありません。
出典:厚生労働省ホームページ
(https://www.mhlw.go.jp/content/000453010.pdf)
一方、生命保険文化センターが3年ごとに発表している「生活保障に関する調査」の令和元年版(速報)によると、夫婦2人の老後に必要な生活費の平均は月22.1万円でした。これは最低限必要な金額であり、ゆとりある老後を過ごすとなれば、さらに平均で月14万円必要という結果が出ています。
出典:(公財)生命保険文化センター「令和元年度 生活保障に関する調査」より
(https://www.jili.or.jp/research/report/pdf/r1hosho.pdf)
仮に会社勤めをしていた男性と、専業主婦の女性という組み合わせであれば、月に支給される年金は230,150円です。最低限必要な生活費はクリアしていますが、ゆとりある生活には程遠いでしょう。夫婦とも国民年金であれば、111,230円ですから最低限の暮らしさえ難しくなります。
貯蓄が少ない人は要注意
退職金が出れば、生活費の不足を補えますし、老後にゆとりを持たせるのも難しくはありません。
けれども退職金には限りがあり、たとえ月に10万円ずつ崩したとしても、2,000万円では16年8か月で底をついてしまいます。65歳で退職していると81歳ですから、まだ生きている可能性は十分にあるでしょう。
また、高齢になると生活費とは別に、医療費や介護費の負担が増えます。
これらは前もって予測できるものではありません。思いがけず高額になる場合もあります。
他にも持ち家に住んでいるなら、定期的に修繕しなければいけなくなるでしょう。退職金が底をつくのは、もっと早いかもしれません。
そんなとき支えになるのが貯蓄です。
2019年6月に公表された金融審議会の「高齢社会における資産形成・管理」という報告書では、老後30年で2,000万円の貯蓄が必要だといわれています(月に5万円ずつ取り崩す場合)。
出典:金融庁ウェブサイト
(https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf)
実際に老後まで必要な貯蓄額には差があり、国民年金だけしか受給できず、退職金も無ければ、その3倍が必要です。
現役のうちに貯蓄していないと、老後にお金のない生活を強いられるでしょう。
老後にお金がなくならないように今からできること
では、老後にできるだけお金を減らさないようにするには、何をすればいいのでしょうか。
ローンがあれば定年退職まで完済しよう
定年退職後も借金を返済するとなると、いくら資金があっても生活の足しにならず、逆に圧迫するだけです。
借金には利息が発生し、借りた以上のお金を返済しなければいけません。限られたお金で生活する老後に借金があるのは、大きなリスクです。
老後に借金をしないのはもちろん、すでにある借金は老後まで返済するようにしましょう。
特に残りがちなのが住宅ローンです。
35年ローンを組んで、完済が定年退職後になり、老後破産するケースも増えています。
老後の負担を減らすためにも、繰り上げ返済をするなどして、定年まで完済するようにしましょう。現役のうちならともかく、老後に破産した上に住むところまで失ってしまうと、生活を立て直す術がありません。
完済の見込みが無ければ、退職金で一括返済することも検討しましょう。
老後の資金は減ってしまいますが、借金が残って余計にお金が減るよりは幾分ましです。
健康に気をつける
老後の医療費や介護費は、病気になるほど増えます。
逆に健康であれば、それほどかからないでしょう。
病気になるリスクを軽減するためにも、普段から食生活に気を配り、定期的に運動するよう心がけましょう。
年に一度は健康診断を受けて、病気を早期に発見するのも大切です。
健康でいると、医療費や介護費を抑えられるだけでなく、自分の意志で何でもできるなど、老後の生活が豊かになります。収入を得るために再び働くのも簡単です。健康は老後に多くのメリットをもたらします。
リタイア後の生活でお金が無くなったらリースバックを
いろいろ対策しても、退職金や貯蓄を使い果たすなど、老後資金が尽きたらどうすればいいのでしょうか。
持ち家を現金化する
もし持ち家があるなら、売却して現金化する方法があります。
けれども、売却すると退去しなければならず、新たな住まいを探さなければいけません。現役のころと違って、老後に住まいを借りるのは困難です。
家賃を滞納したり、部屋で死亡したりするリスクを恐れて家主が貸し渋ってしまいます。
そこでおすすめしたいのがハウスドゥの「ハウス・リースバック」です。
持ち家を売却していただくところまでは同じですが、その後もハウスドゥと賃貸借契約を結べば、引き続き住み続けられます。
もちろん、秘密は厳守いたしますので、周辺の住民には気づかれません。
最短5日、標準40日で現金化できますから、急にお金が必要になったときも安心です。
賃貸ですから毎月の家賃はかかりますが、毎年の固定資産税や修繕費を払わなくても済むようになります。
(※物件によりご利用できないケース、5日で対応できないケースがあります)。
できるだけ長く働き続ける
定年退職後も同じ職場で雇用形態を変えて働き続けたり、別の職場に再就職したりすれば、貯蓄や退職金に頼らなくても、給与と年金で生活できるようになります。
現役のころに貯蓄していなかった分をカバーできるでしょう。夫婦2人で働けばなおさらです。高齢化や人手不足によって、60代はもちろん、70代の需要も高まっています。
ただし働き続けるためには、健康でなければいけません。
先述のとおり、病気にならないのはもちろん、働けるだけの体力を維持するように努めましょう。
まとめ
老後にお金のない生活を避けるには、できるだけ現役のうちに貯蓄して、住宅ローンなどの借金を完済するのが理想です。
さらに健康であれば、老後も働き続けて収入を得られます。持ち家があるなら、ハウス・リースバックの利用も検討してみましょう。
ローンがまだ残っている場合、残債によって売却できないケースもありますので、リースバック取扱会社に確認して売却が可能かを確認しましょう。